電気自動車時代到来か?
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2022.10.29


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要約学習の教材として
以前
「電気自動車時代到来か?」を作りました。
この度は
これを取り上げることにします。





教材
電気自動車時代の到来か?


@ 2年に一度開催する「東京モーターショー」を無事終えた2017年の自動車業界。世界の環境規制を受け、各社はEV(=電気自動車)分野の強化を方針として打ち出しました。トヨタ自動車は、2025年までにエンジン車のみで展開する車種をゼロにすると発表。2030年に自社の販売台数のおよそ半数(550万台)を電動車にし、FCV(=燃料電池車)、HV(=ハイブリッド車)、PHV(=プラグインハイブリッド車)と合わせてEVの開発に本格参入し、電気で動く車(=電動車)の幅広い展開を行うと発表しました。

A ヨーロッパなどを中心とした世界各地でガソリン車の販売を禁止する動きがある中、世界のEV化への流れは一気に拡大しています。トヨタ自動車は海外市場を強く意識する方針変更ですが、国内メーカーの多くはガソリン車中心の認識を変えていません。

B 電気自動車の課題は「航続距離(電池容量)」と「充電場所」です。今後、画期的な技術革新がないと厳しいと言えます。もしかしたら、現状では1000万円程度と想定される「燃料電池自動車」(燃料は水素)のコストダウンの方が、先に来るかもしれません。もっとも電気自動車も、200万円後半から400万円程度の本体価格がもっと安くなれば、消費者の購買意欲も上がると思われます。

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ガソリン車が消える?


 ヨーロッパを中心に、ガソリン車規制が始まっているとのこと。もともと「石油は有限」「埋蔵量は残り30年」ということを40年以上前に聞きました。その後、「(発掘技術の進歩で)埋蔵量はあと40年」とか「石油は無尽蔵」とか、いったいどうなっているのだ? と、ずっと以前から疑問がぐるぐる回っています。

 Wikipedeia によると、次のように説明がされています。

概要 その他
(1)生物由来説(有機成因論) 生物の死骸を原料として原油になる 現在の学説の主流
(2)無機成因論 地下の炭化水素が変質して原油やメタンガスに変わる 原油は無限に生成され続けることになる
(3)原油分解菌説 原油分解菌という細菌が原油を生成する 実験室レベルで確認
出典:Wikipedia「石油」

 現在の主流は「生物由来説」となっていますが、そんなに生物の死骸が地中にあるものなのか? 大いに疑問です。以前から私は、単純に「無機成因論」派です。温泉と同じように、地球からの贈り物だと信じています。

 ただ、温泉も地核変動などによって枯渇することがある由。現在さかんに発掘されている中東やロシアなどの油田地帯が、ある日突然消滅する可能性がゼロではありません。

 逆に発掘技術が進歩すれば、海中に眠っている「メタンハイドレート」が掘り出され、日本も産油国になるかも知れません。

燃える氷(メタンハイドレート)

 もっとも、今ガソリン車の販売廃止は環境問題が発端です。特に環境汚染が深刻な中国は、(日本が立ち後れている)電気自動車の開発に全力投入しているとのこと。

 もっとも、中国が電気自動車の開発に力を入れているのは、とてもじゃないが「日本のガソリン車製造技術には太刀打ち出来ない。」「電気自動車は部品も少なく、割合単純。」という裏事情があるようです。

 電気自動車は蓄電能力の関係で、走行距離が短い欠点があります。が、中国では蓄電スタンドではなく、蓄電池そのものをごっそり交換する方式とか。これなら充電時間(現在は20分〜30分必要)が必要なくなります。

 自動車産業で世界を席巻してきている日本は、(教材にあるように)このままでは取り残されるかも知れません。

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2019年の世界販売台数(車種)トップ20

順位 メーカー 国籍 販売台数
1位 フォルクスワーゲン ドイツ 1,097万台
2位 トヨタ自動車 日本 1,074万台
3位 ルノー・日産・三菱連合 日本・フランス 1,015万台
4位 ゼネラルモーターズ アメリカ 771万台
5位 現代自動車グループ 韓国 719万台
6位 上海汽車 中国 623万台
7位 フォード・モーター アメリカ 538万台
8位 本田技研工業 日本 517万台
9位 FCA イタリア 441万台
10位 PSA フランス 347万台
11位 ダイムラー ドイツ 334万台
12位 スズキ 日本 300万台
13位 BMW ドイツ 253万台
14位 長安汽車 中国 176万台
15位 マツダ 日本 149万台
16位 吉利汽車 中国 136万台
17位 長城汽車 中国 106万台
18位 SUBARU 日本 100万台
19位 BYD 中国 46万台
20位 テスラ アメリカ 36万台





1. トヨタ カローラ:116万495台
2. ホンダ シビック:83万3017台

3. フォルクスワーゲン ゴルフ:78万8044台
4. トヨタ RAV4:78万6580台
5. ホンダ CR-V:75万3359台

6. フォード Fシリーズ ライトデューティー:73万596台
7. フォード フォーカス:65万6071台
8. フォード エスケープ:63万2529台
9. フォルクスワーゲン ポロ:61万4827台
10. トヨタ カムリ:56万9760台




2020年
日本国内
自動車販売台数の状況

日本自動車販売協会連合会が発表
種類別 割合(%)
ガソリン車 55.7%
HV 37.1%
PHV 0.6%
EV(電気自動車) 0.6%
ディーゼル車 6.0%
FCV 0.03%
その他 0.01%

HV=ハイブリッド車
PHV=プラグイン・ハイブリッド車
FCV=燃料電池自動車








電気自動車の電気は?


 ところで電気自動車は「電気で走る」から、環境汚染とは無縁かというと、それはちょっと違うと思います。電気自動車を充電するには「電気」を使います。その電気は大半(88%)が「火力発電」で造り出した電気です。間接的には、立派に環境を汚染しています。

 そういう意味では、電気以外の方法で作ることが出来る「水素」で走る「燃料電池自動車」の方が、よほど環境対策になると思われます。

未来の車「燃料電池自動車」

 「燃料電池自動車」なら、供給が不安定な「太陽光発電」「風力発電」で「水素」を造って、水素の形で備蓄したり運んだり供給したりすることも出来ます。

 水素を作り保存する
 スペインの太陽“熱”発電
 宇宙太陽光発電
 潮流発電

 洋上風力発電
 再生可能エネルギー
 注目;風力発電
 揚水発電
 水素発電

 電気は、そのままでは保存出来ません。造りすぎれば捨てられます。巨大な蓄電装置が開発されれば、不安定な太陽光発電・風力発電などが一気に重要度を増します。

 蓄電の方法として「揚水発電所」は、面白い発想です。水力発電・太陽光発電・風力発電などと連動させれば、クリーンエネルギーとして環境汚染とは無縁です。

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ただ……


 地球温暖化の原因は人間活動。ここから生み出される「二酸化炭素」が増えたことによる「温室効果ガス」に原因がある。これが、世界中の大半の科学者が認める説です。

 ただ、たった大気中の「0.03%」に過ぎない二酸化炭素が、そこまで大気温度に影響を及ぼすものなのか? 単純に疑問を抱いている一人です。

 地球の温度は、太陽活動の変化、太陽と地球との微妙なバランスなど、光と熱をもたらす「太陽」抜きには考えられません。

 地球の過去の歴史を紐解いてみると、温暖化と寒冷化とが交互にやってきています。そして、人間にとって怖いのは「寒冷化」。作物の収穫量が激減し、食糧不足で人間は餓死者が増える可能性があります。

 ただ、これはあくまでも素人の素朴な疑問でしかありません。 ……話が電気自動車から、とんでもない方向へ行ってしまいました。

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地表付近の平均大気は、水蒸気を除けば、

窒素(78.08%)、
酸素(20.95%)、
アルゴン(0.93%)、
二酸化炭素(0.03%)。





蛇足


 

               自動運転

@ 自律走行車(自動運転)の長所は、なんといっても人の命を救えることです。自動車事故の原因の99パーセントは、人的ミスとされています。自律走行車は、この人的ミスを無くします。これによって、交通事故で失われている年間約4,000人の多くの命が救われます。

A 自動車メーカーは、衝突事故をゼロにすることを最終目標としてしています。それを実現するには、周囲の状況をクルマが完璧に検知し理解する必要があります。ところが現在使用されているカメラは、夜間や太陽光が強すぎる場合はうまく機能しません。また、自律走行車に搭載しているセンサーは周囲360度の状況を詳細に知らせてくれますが、弱点もあります。現在のレーダー(レーザー光線を使ったシステム)では雨・霧・埃が苦手です。レーザー光線が大気中の粒子に当たり、跳ね返されてしまうからです。

B これらの検知能力の向上を目指して、今も世界中で研究開発が続けられています。並行して、イスラエルでは数百メートル先にいる歩行者を検知できる「熱感知式赤外線カメラ」という新しい技術を開発中です。人工知能が著しい進歩を遂げつつある昨今、検知能力が進化すれば、自動運転は一気に当たり前の世界がやってきます。

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              注目される水素発電

@ 東日本大震災(2011年3月11日)による、福島原子力発電事故をきっかけに、川内原子力発電所以外の原発は停止したままです。日本の電力は、(輸入でお金のかかる)石油や天然ガスなどによる「火力発電」に頼る状況となっています。

A これを解決する方法として、「再生可能エネルギー」(現在、発電のわずか 2%)があります。再生可能エネルギーによる発電は、例えば太陽光発電・風力発電・地熱発電などがあります。しかし、それぞれに発電が難しかったり、不安定だったり、お金がかかりすぎたりして、活用するまでには、まだまだ時間がかかりそうです。

B そこで最近注目されている発電方法が、「水素発電」です。昨年12月、トヨタから燃料電池自動車「ミライ」が発売されました。この自動車は、燃料として水素を積んでいます。空気中の酸素と反応させて発電し、モーターを動かしています。この原理を利用して発電するのが「水素発電所」です。

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               揚水発電所

@ 電力は、現在のところ大規模な蓄電装置(電気を溜めておく仕組み)が実現していません。そこで見直されているのが「揚水発電」です。「揚水」とは、水を汲み上(揚)げることです。揚水発電は、夜間の余った電力を使って低い土地から高い土地に、ポンプで水を汲み上げます。

A 逆に電力がたくさん使われる昼間は、高い土地から水を落として、通常の水力発電のように水車を回して発電します。これによって電力エネルギーが3割失われますが、電力の需給の差(昼間の電力消費は多いが、夜間の電力消費は少ないという差)を巧みに活用した「蓄電」の方法です。

B 揚水発電所は国内に40か所あり、総電力は 2,600万Kw(世界最大)です。しかし、規模が小さい発電所ばかりということもあって、現在の利用率はわずか 3%に過ぎません。現在稼働している国内最大の揚水発電所は、兵庫県朝来市の「奥多々良木発電所」です。ここでは高低差400m、貯水池間の距離4Kmを利用して193万Kwを発電し、夏場の電力安定供給に寄与しています。

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