@ 再生可能エネルギー(自然エネルギー)として世界的に広まっているのは、風力発電・太陽光発電です。一方、海に囲まれた日本は、「海洋エネルギー(海に関するエネルギー)」の利用ができるのではないかという期待があります。海洋エネルギーの利用方法としては「波力発電」「海水温度差発電」などがありますが、海流を利用する潮流発電が、今注目されています。
A 九電みらいエナジーは2021年5月20日、潮流発電方法が「使用前検査に合格」したと発表しました。この発電方法は、長崎県五島市沖合約500メートル、深さ約40メートルの海底に設置されたものです。ここは穏やかな海面とは裏腹に海中の潮流は速く、潮の干満(干潮と満潮)によって生じる潮流は安定しています。天候に左右される風力や太陽光と比べ、発電量は安定しています。高さ約23メートル、重量約1000トン、中心部に備え付けられた3枚のブレード(羽)長さは約7メートル、出力は500キロワットとなっています。
B 発電量と干満差の関係を分析したところ、ぴったりと一致していることが分かりました。海上の風が弱いときでも海中では潮流があり、安定した発電が出来ることが証明されました。なお、この潮流発電一基によってまかなえる電力は、一般家庭約300世帯分となっています。