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2024.3.11


小学校高学年教材の部屋







@ 温室効果ガス


@ 動物も植物も、空気を吸って生きています。空気は、いろいろなガスが混じってできています。一番たくさん含まれているのが窒素、次が酸素です。空気が100としたら、窒素がおよそ80、酸素がおよそ20でできています。一方、大気(空気)中の二酸化炭素はわずか0.03%です。

A 主に、二酸化炭素は物を燃やしたり、車のエンジンを動かしたりすると発生します。また、人間一人が一日に排出する二酸化炭素は、約1sと言われています。世界人口を70億人とすると、世界中で排出される二酸化炭素のうち、約10%が人の呼吸によるものだということになります。植物はその反対で、二酸化炭素を取りこんで酸素を吐き出しています。

B 二酸化炭素は太陽から受ける熱を大気中にため込んで、地球を暖かく保ってくれており、これを「温室効果ガス」と呼んでいます。ところが、地球では18世紀中頃から二酸化炭素がとても多くなってきています。二酸化炭素が増えた大きな原因は、乗り物を動かしたり電気を生み出すもとになる、石炭・石油・天然ガスなどをたくさん燃やしたりしているからです。その結果、二酸化炭素が増加して地球の気温が上昇するという「環境問題」が起きています。工業化(1750年)以前と比べて1.5倍に増えているのです。

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A 地震


@ 地震が起こるということは、地球の地面が動いている証拠です。地球の表面は、プレートと呼ばれる薄い板のような岩でおおわれています。地球の表面は、このプレートが何枚も組み合わさってできています。つまり、地球の表面はジグソーパズルのようにプレートが重なり合って出来ているのです。

A ところが、このプレートはそれぞれがいろいろな方向に動いています。動いているといっても、1年にせいぜい10cmくらいしか動かないのですが、少しではあっても動き続けているのは確かです。丸い地球の表面をおおっているプレートがいろんな方向に動くわけですから、必ずどこかでぶつかります。このプレート同士がぶつかるところでは、一方のプレートがもう一方のプレートの下にもぐりこむという現象が起きています。

B このように、下にプレートが潜り込んでいくときプレートの岩が壊されます。このとき地球の表面はグラグラと揺れるのです。これが地震の正体です。特に日本列島の真下では、太平洋の方から日本に向かって動いているプレートが、休むことなく日本列島の下に潜り込んでいるのです。日本に地震が多いのはこのためです。

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B 雷


@ 雷の正体は、入道雲の中で発生した電気です。ふつう雲が浮かんでいる空気は、電気を通しません。ところが、雲の中に大量の電気がたまると、空気中を電気が通って地表まで届くのです。このように、雲から地表へ電気をにがす(放電する)現象を「落雷」とよびます。

A なぜ雲の中で電気が発生するのでしょうか。雲は、小さな水てき「雲つぶ」や「氷晶(氷のつぶ)」でできています。雲が発達して積乱雲(雷雲)になると、氷晶(氷の粒)が増えて空気といっしょに上下に激しく動き、氷晶どうしがぶつかり合って(摩擦によって)どんどん電気が発生してたまっていきます。電気がたまってくると、雲の高い方から「+(プラス)」「ー(マイナス)」「+」の「三層構造」ができます。すると、雲の中では、このかたよりをなくそうとして、まんなかの層の「ー」が下の方へ移動し、「+」の電気をなくしていきます。

B その後、「ー」の電荷はさらに下へ、つまり地表へ向かって一気に進んでいきます。空気は電気を通しにくい性質のため、電気は一気に進むのではなく、進んでは止まり進んでは止まりという動きををくり返し、通りやすい道を探しながらジグザグに進んでいきます。この電気の通り道の光が「稲妻」であり、雷の熱によって起こる空気の振動が「雷鳴」なのです。

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C アメリカ軍基地


@ 日本は第二次世界大戦後、新しい憲法のもとで、新しい国造りを目指しました。新しい憲法では、戦争を行わず、そのための武力を持たないことを定めました。これが憲法9条です。日本は、この憲法の下で77年間、平和国家の道を歩んできました。

A こうした政策は、日本が世界に誇ることのできるものです。しかし日本が他国から攻撃される場合、日本の持っている防衛力だけでは十分国民を守ることが出来ません。そこで日本政府は、アメリカと「日米安全保障条約」という約束を結びました。この条約は、「日本が攻撃を受けたときにアメリカが日本を守ること、その代わりに日本はアメリカ軍が使う軍事施設を提供すること」を約束しています。だから、アメリカ軍の基地が日本にあるのです。

B ところで沖縄は1972年までの27年間、アメリカ軍が管理していました。そのため今でも、アメリカ軍基地が集中しています。面積が日本国土の0.6%に過ぎないにもかかわらず、日本における米軍基地の70%が沖縄に集中しています。沖縄の面積の実に18%が、米軍基地として使用されているのです。米軍基地があるために沖縄県民は、航空機の騒音、戦闘機などの墜落事故、米兵による事件(米兵が犯罪で検挙された件数は月平均11件)など、今でも多くの住民が被害者として苦しんでいるのです。

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D 中東戦争


@ 2000年前、ユダヤ人が暮らすアラビア半島の「パレスチナ王国」へ、ローマ帝国が侵攻してきました。武力で土地を奪い取ると、ユダヤ人を国外に追放しました。以後、ユダヤ人は国土を持たず、ヨーロッパ各国へ散らばって暮らすようになりました。その後、このあたりにはアラブ人が住むようになり、パレスチナと呼ばれるようになりました。

A 第二次世界大戦後、ユダヤ人は2000年前に王国があったパレスチナにユダヤ人の国をつくろうと考えました。しかし、パレスチナにはアラブ人が大勢住むようになっていました。そこで国連は仲立ちをして、パレスチナに「ユダヤ人の国」と「アラブ人の国」をつくる案を決めました。国連の案にもとづいて1948年、ユダヤ人たちはイスラエルという国をつくりました。ところが、アラブ人たちは、自分たちの土地に別の国ができたことに怒って、イスラエルを攻撃しました。この戦争の結果、イスラエルは、国連が決めた「アラブ人の国」の地域も全部占領してしまいました。

D 一方、自分たちの土地から追い出されたアラブ人(パレスチナ人)は、自分たちの国土を取り戻そうと、イスラエルと戦い「中東戦争」を起こしました。これまで、大きな戦争だけでも4回を数えます。この争いがとりあえず決着したのは、1993年の「オスロ合意」です。イスラエル軍が占領している土地のうち、パレスチナ人が多く住んでいる「ヨルダン川西岸地区」と「ガザ地区」をパレスチナ人に返すことになったのです。しかしながら、現在も両者は紛争を続けているのです。

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E iPS細胞の活用


@ iPS細胞とは、人間の皮膚などの細胞を培養する(増やす)ことによって、別の臓器の細胞に変化させることができる細胞(人工多能性幹細胞)のことです。このiPS細胞を活用した、医療への応用は2種類あります。一つは「再生医療」です。例えば、失った視力回復を目指し、患者のiPS細胞から作成した網膜の細胞を使った移植手術が試みられています。

A もう一つは「難病の治療薬開発」です。これまでの新薬開発は原因物質(病気の原因となったもの)を探り当て、それに効く薬を造り出すという方法がとられてきています。ところがマウス実験で成功しても人間には効かなかったり、重い副作用(薬を飲んだために起こる症状)の危険があったりして、新薬の開発には多くの時間と費用と労力がかかります。ところが、危険を伴う人体での実験ではなく、iPS細胞を使った実験が可能となりました。

C このiPS細胞を活用した治療薬開発は、これまでの新薬開発とは全く方法が違います。実際に人間に薬を投与する前に、効くか効かないか、副作用あるかないかについて、iPS細胞を使って試験管の中で(細胞段階で)調べることが出来るのです。したがって、たとえ患者が少ないために新薬開発が難しいケースでも、iPS細胞を使った結果を基に「新薬の承認(許可)」が可能になったのです。

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F 人口骨


@ これまでの人工骨は、簡単に形が変えられないとか、何時までも体に残るとか、欠点がありました。この度、この難点をクリアーする人工骨が誕生しました。この新しい人工骨の開発に成功したのが、田中順三教授(東京工業大学)です。これを受けて実用化に向けて動き始めたのが、ペンタックス株式会社(セラミックス製の人工骨を扱う会社)です。

A 新しい人工骨は、小さい結晶の「アパタイト」と細長い分子「コラーゲン」から出来ています。この二つの素材を混ぜ合わせることが難しく、大きな課題となっていました。これをクリアーしたのが、田中教授です。体温に近い温度で二つの素材を反応させると、二つがきれいに並んで細長い繊維(1mm)出来るという、不思議な現象を発見したのです。さらに驚きは、体内で自然に本当の骨に変化することが分かったのです。

B 商品化する上で次に課題となったのは、作製した細長い繊維に細胞が入りやすくするため、0.1 mm の小さい孔を開ける技術でした。これについては、きめ細かい氷の結晶を造る「アイスクリームの製法」がヒントになり、小さい孔を開けることが出来るようになりました。更に医療現場の声を取り入れて、伸縮自在に形を変える「スポンジ型人工骨」の製造にも成功しました。こうやって、多くの困難を乗り越え、この度、ヒトの骨にきわめて近い人工骨「リヒット」が誕生したのです。

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G コンクリート舗装


@ 道路の舗装と言えばアスファルト(黒い舗装)ですが、コンクリート舗装(白い舗装)が注目されています。これまで主としてコンクリートが使われていなかった理由は、固まる時間が長くて通行止めが2週間も必要だったからです。この問題点を克服したのが「1 DAI PAVE」(一日で舗装する)です。セメントと砂利を混ぜて作ります。

A コンクリート舗装道路は、アスファルト舗装の上にコンクリート板を敷くことで造られます。コンクリート舗装の長所は、主に2つあります。一つは、コンクリートは熱吸収率が低いので町が涼しくなることです。もう一つは舗装の補修です。アスファルトの場合は、通常3年で修理が必要となります。その点、コンクリートは手入れ無しで数十年大丈夫です。長い目で見れば、コンクリート舗装道路は安上がりということです。

B ただ、問題点もあります。コンクリート舗装の場合は、専用大型機械が必要な上、技術者がまだ少ないということです。また、舗装自体が固いため、水道管などが下を通っている場合、水道管取り換え工事が大変だということです。そこでまずは、路面の傷みが早い交差点やバス停で、コンクリート舗装を導入しようという案が浮上しています。

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