@ 2000年前、ユダヤ人が暮らすアラビア半島の「パレスチナ王国」へ、ローマ帝国が侵攻してきました。武力で土地を奪い取ると、ユダヤ人を国外に追放しました。以後、ユダヤ人は国土を持たず、ヨーロッパ各国へ散らばって暮らすようになりました。その後、このあたりにはアラブ人が住むようになり、パレスチナと呼ばれるようになりました。
A 第二次世界大戦後、ユダヤ人は2000年前に王国があったパレスチナにユダヤ人の国をつくろうと考えました。しかし、パレスチナにはアラブ人が大勢住むようになっていました。そこで国連は仲立ちをして、パレスチナに「ユダヤ人の国」と「アラブ人の国」をつくる案を決めました。国連の案にもとづいて1948年、ユダヤ人たちはイスラエルという国をつくりました。ところが、アラブ人たちは、自分たちの土地に別の国ができたことに怒って、イスラエルを攻撃しました。この戦争の結果、イスラエルは、国連が決めた「アラブ人の国」の地域も全部占領してしまいました。
D 一方、自分たちの土地から追い出されたアラブ人(パレスチナ人)は、自分たちの国土を取り戻そうと、イスラエルと戦い「中東戦争」を起こしました。これまで、大きな戦争だけでも4回を数えます。この争いがとりあえず決着したのは、1993年の「オスロ合意」です。イスラエル軍が占領している土地のうち、パレスチナ人が多く住んでいる「ヨルダン川西岸地区」と「ガザ地区」をパレスチナ人に返すことになったのです。しかしながら、現在も両者は紛争を続けているのです。