@ 雷の正体は、入道雲の中で発生した電気です。ふつう雲が浮かんでいる空気は、電気を通しません。ところが、雲の中に大量の電気がたまると、空気中を電気が通って地表まで届くのです。このように、雲から地表へ電気をにがす(放電する)現象を「落雷」とよびます。
A なぜ雲の中で電気が発生するのでしょうか。雲は、小さな水てき「雲つぶ」や氷のつぶ「氷晶」でできています。雲が発達して積乱雲(雷雲)になると、氷晶(氷の粒)が増えて空気といっしょに上下に激しく動き、氷晶どうしがぶつかり合ってどんどん電気が発生してたまっていきます。電気がたまってくると、雲の高い方から「+」「?」「+」の「三層構造」ができます。すると、雲の中では、この電荷のかたよりをなくそうとして、まんなかの層の「?」の電荷が下の方へ移動し、「+」の電気をなくしていきます。
B その後、「?」の電荷はさらに下へ、つまり地表へ向かって一気に進んでいきます。空気は電気を通しにくい性質のため、電気は一気に進むのではなく、進んでは止まり進んでは止まりという動きををくり返し、通りやすい道を探しながらジグザグに進んでいきます。この電気の通り道の発光が「稲妻」であり、雷の熱による空気の振動が「雷鳴」なのです。