株価が上がる
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授業対象=中学生
実施=2025年9月実施予定


2025.8.15


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全体像


教材


@ 株とは、会社が必要なお金を集めるための仕組みです。例えば、新しいラーメン店を立ち上げ、あなたがラーメン屋の店主だとします。ラーメン店を始めるためにお金が必要です。銀行にお金を借りる方法もあります。それ以外に「株を発行してお金を集める」方法もあります。株を購入した人はその会社の「株主」となり、会社の利益の一部を受け取ったり、会社に対して意見を述べたりすることができます。

A 8月13日、日経平均株価(=日本を代表する元気な会社225社の株価を平均したもの)が過去最高を更新し、4万3,000円台になりました。株価が値上がりすると、企業(会社)が「もうけた」ということです。近年の傾向として、大企業が利益を上げたらその多くは「株主」に配ります。併せて企業の儲けの多くは、「役員(=会社の管理職)」の報酬(=お礼金)増加につながっています。

B 儲けたら「従業員の賃金」を上げること、これこそ本来期待されていることです。確かに今春は5.3%、賃金は増加しました。ところが一方で、食料品は7.3%増加(値上がり)しています。したがって、「5.3%ー7.3%=ー2.0%」。つまり、実際の賃金は「2.0%」下がっています。賃金増加と物価増加との関連で見るとここ30年間、平均賃金は全く上がっていません。これが日本の悲しい現実です。

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参考にした新聞の社説



2025.08.14 図式の活用の部屋  新聞の社説株価最高値

内容を文章で再現
〜要約〜


 8月13日、日経平均株価は過去最高値を更新し、4万3,000円台をつけました。

 株価が値上がりすると、大企業が「もうけた」ということです。近年の傾向として、大企業が利益を上げたらその多くは、株主に還元されます。ここ10年間で「2.6倍」に増えており、その3割は海外投資家となっています。併せて企業の儲けは、役員報酬の増加につながっています。

 また、儲けが出ると大企業は自社株買いをします。ここ10年間で自社株は「6.3倍」に増えています。このことによって、市場の株が減りますから、その会社の株が値上がり傾向となります。

 本来望ましいのは、もうけを国内投資に回すことですが、残念ながらこちらは停滞したままです。

 さらには、本来期待されているのは、儲けを従業員の賃金(増加)に還元することです。確かに今春は「5.25%」賃金は増加しました。ところが一方で、食料品の値上げは「7.3%」増加しています。実質賃金は下がっているのです。

 賃金増加と物価増加との関連で見ると、ここ30年間、平均賃金は全く上がっていません。これが日本の実態です。

 「アベノミクス」は、法人税減税と低金利政策を推し進めてきました。これは「円安」を目指した政策とされています。確かに円安によって、輸出企業は業績が伸びました。が、日本経済全体から見ると、(輸出関連)大企業は儲け、株主は確かに資産を増やしましたが、その陰で賃金労働者は犠牲となり続けてきているのです。

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