高齢者
65歳以上 ⇒ 75歳以上

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2020.9.27(日)


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高齢者の定義変更を提言


 国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としています。 65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。

 日本もこれに準じています。国民年金や介護など社会保障関係の国内法令も、現役世代との区分を65歳としています。 日本での高齢者の割合は28%にもなり、世界でも最も高い水準です。

 ところで2017年1月、日本老年学会は、医療や介護などで「65歳以上」とされている高齢者の定義を「75歳以上」に見直すべきだとする提言を発表しました。

 健康に関するデータの分析から、医療の進歩や生活環境、栄養状態の改善などで、65歳以上の体の状態や知的機能は10〜20年前と比べ5〜10歳ほど若返っていると考えられるとのこと。

 日本老年学会は、65〜74歳を健康で活力がある人が多い「准高齢者」と定義し、仕事やボランティアなどの社会活動への参加を促すよう求めました。なお、75〜89歳は「高齢者」、90歳以上は「超高齢者」と位置づけました。

 65歳以上の心身に関する各データを同学会が解析したところ、要介護認定率や脳卒中死亡率などは年々低下し、身体の動きや知的機能は上昇が見られたとのこと。2014年度の内閣府意識調査で、高齢者を男性が70歳以上、女性は75歳以上とする回答が最多だった点も勘案したとしています。

 提言をまとめた同学会の大内尉義(虎の門病院長)は「65〜74歳は元気な人も多く、今の高齢者の定義に合わなくなっている。自主的な社会参加を促せば、社会の支え手を増やせる。」と説明しています。

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日本老年学会公式ホームページ







いつまでも若くありたい


 感覚的なのか、記憶間違いなのか、確かに昔(私が子どもの頃)と比べて外見上、60歳の風貌が若返っていると感じます。教員になった頃(昭和49年)、定年は55歳でした。そのころ、50歳台の先輩教員は「お爺さん」の印象が残っています。

 現実問題として、(69歳8ヶ月の)自分自身の実感では「お爺さん」「高齢者」の自覚はありません。ただ、孫は当然のように「おじいちゃん」と呼んでいます。実際、飛蚊症になったり耳鳴りが出てきたりしています。夜間の外出時に「よっこらしょ」という腰の重さ(けだるさ)も感じるようになってきています。明らかに50歳台頃の時期とは体も心も違いを感じます。

 平田に「ゆらり」という温泉があります。65歳以上は割引になっています。65歳の誕生日を迎えた後、初めて「ゆらり」に出かけたときの話です。割引ですから、免許証をポケットに忍ばせて番台に向かいました。

 ところが、入場券を受け取る係の人が何の疑う仕種もなく、私を通過させてくださいました。嬉しかったというより、落胆しました。 ……そうかそうか、風貌は立派な「高齢者」なんだと自覚させられた、記念すべき日? となっています。以後は、ふつうにフリーパスです。

 最近6年間、ほぼ毎日(一ヶ月平均25日)愛犬と山中(林道)を6Km走っています。サウナにはほぼ毎日出かけています。食事に気を遣っています。文章の読み書きは日常化しています。 ……いつまでも若くありたい下心もあります。

 そういう中にあって、日本老年学会の提言は「吾が意を得たり」です。これが社会通念上認められると、晴れて? 私は当分の間、「高齢者」ではなくなります。気分的にぜんぜん違います。ぜひ、政府にはこの提言を取り上げ、日本の常識にして欲しいと願っています。

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100年生きるのは幸せか?


  我が国の総人口(2019年9月15日現在推計)は、前年に比べ26万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は、3588万人と、前年(3556万人)に比べ32万人増加し、過去最多となりました。

 総人口に占める割合は28.4%と、前年(28.1%)に比べ0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。男女別にみると、男性は1560万人(男性人口の25.4%)、女性は2028万人(女性人口の31.3%)と、女性が男性より468万人多くなっています。

 『週刊現代』の「100年生きるのは幸せか」という記事によると、次のようなデータが掲載されています。


 100歳以上の人口は、次のように推移が予想されています。
  2020年 13万人
  2030年 27万人
  2040年 42万人

 100歳以上の高齢者の実態。
  自立歩行は5人に一人。
  認知症は8割。
  一人当たり経費 300万円/一年
     内訳=医療費 118万円
        介護費 191万円

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 こういうデータを眺めていると、「姨捨山」の話が浮かんできます。医療・介護の必要ない高齢者であれば、クオリティオブライフ(生活の質)も充実しているし、家族に迷惑もかけなくて済みます。でも、現実は……。





 平成27年5月、私の母は脳出血で倒れ、救急車で飯南病院へ搬送。一ヶ月間意識不明後、意識を取り戻すも、意思の疎通は困難に。これを機に、中心静脈による栄養補給から胃ろう(直接チューブで胃に栄養や水分を補給)に変更しました。

 平成28年4月から 特別養護老人ホーム「愛寿園」に入所。愛寿園の皆様の手厚い看護のもと、4人部屋で安心・安全・快適な時間を過ごしています。

 現在は「要介護5」、もともと意思の疎通が(坂を転げるように)悪化していました。この度のコロナ禍で面会禁止措置が半年近く続き、先日しばらくぶりに面会すると、とうとう息子の顔も認識出来なくなっていました。

 母の姿を観ているうちに、「クオリティライフ(生活の質)」を強く意識させられます。家族にとっては「生きて存在しているだけでありがたい」という反面、母が気の毒でなりません。


 自分自身のことだけを考えるなら、将来私が医療・介護が必要となったら、その時点で静かに生涯を終えさせて欲しい。 ……これが今の本音です。実際、わが子達には事あるごとに「延命治療はゼッタイしないように」と念を押しています。

 先日、サウナでこれに関することが話題になりました。「あの世に行ける『どこでもドア』があればいい。気にかかることを全てやり終えたら、親しい人を『どこでもドア』の周りに招いて一人一人と最後の言葉を交わしたり、最期のスピーチ(お礼)をしたりして、『それでは皆さんお元気で、さようなら。』と言ってドアの向こうに消えていく、……。」

 共感している自分が、そこにいました。


 2019年「国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、次のようなデータとなっています。

平均寿命 81.4 87.4
健康寿命 72.7 75.4
8.7 12.0

 健康寿命の平均値で言うと、私の場合あと3年、……。一日一日をより愛おしまなくてはいけません。同時に、健康寿命を延ばすための実践(運動と食事など)を心がけなくてはいけません。自分のためにも、家族を始め周りの人のためにも……。







要約学習のために作った
教材

平均寿命(生活の質)


@ 厚生労働省によれば、日本人の「平均寿命」(=0歳児の平均余命)が過去最高を更新して、男性は「81.1歳」、女性は「87.3歳」となりました。平均寿命が伸びた要因は、「ガン」「心疾患」「脳疾患」の死亡率の改善が挙げられています。

A ところで、女性の方が長生きするのはなぜでしょうか? その理由を沢井製薬の「サワイ健康推進課」では、「女性ホルモンが血圧を下げたり、悪玉コレステロールを下げる働きがある。」、「基礎代謝量が女性の方が少なく、少ないエネルギーで生きていける。」、「健康意識が女性の方が高い。」という3点を挙げています。

B ところが、老いの工学研究所(大阪)の「健康に関する意識調査」では、「長生きしたいと思っているか」という質問に、51%の女性が否定的な回答(いいえ)をしていることが分かりました。その理由は、年金受給の不安、健康の不安、家族に迷惑をかけたくないなどが挙げられています。「長生き」は人類の欲求ですが、長生きを支える「生活や健康」に不安に感じている人たちが増えているのです。高齢になっても暮らしに困らず(お金に不安を感じず)、介護を必要としない健康な身体を実現するためにはどうすべきか?その秘訣の回答が、超高齢化時代を迎えた今、強く求められています。

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