@ 新型コロナウイルス「第3波」は、日本列島の北から始まりました。全国で最も早く感染者が増えたのは、北海道でした。10月下旬から徐々に増え始め、11月に入ると急増。1日の感染者数でみると、緊急事態宣言下のピークが4月23日の45人だったのに対し、11月20日には304人の感染者が確認されています。なぜ北海道で急激な感染拡大が起きたのでしょうか?
A 一番の原因と考えられているのが、気温と湿度が急速に下がったことです。ウイルスは低温になると生存期間が長くなり、ウイルスを含んだ飛沫(飛び散る細かい水玉)は、空気が乾燥すると水分が失われて小さくて軽い粒子(細かい粒)となります。生存期間が長くなり、飛び散る距離が延びて、漂っている時間も増えます。これによって、感染するリスク(危険)が高まります。また、乾燥してウイルスの粒子が小さくなると、呼吸器の奥まで届きやすくなります。新型コロナウイルスは、のどよりも気管や肺の細胞に感染しやすい特徴があります。
B 札幌市(北海道)の気温を調べてみると、最高気温が10度未満だった日が10月は1日もなかったのに対し、11月は2日に1日は10度未満となっています。日本で感染拡大が確認された「第1波」は、今年の3月とされています。つまり「コロナ禍」において、初めての本格的な冬がやってきます。冬コロナは感染リスクと同時に、危険度も増してきているのです。