@ 沖縄戦は、太平洋戦争末期の1945年(昭和20年)、沖縄諸島に上陸したアメリカ軍と日本軍との間で行われた戦いです。太平洋戦争における「唯一の本土決戦」とも言われる沖縄戦。1945年3月から6月にかけて、民間人も容赦なく巻き添えにしながら、本格的な地上戦が続きました。
A 戦争はふつう、軍隊と軍隊、軍人と軍人が戦います。しかし、沖縄戦は武器を持たない住民も含めて地上戦が行われました。米軍はおよそ55万人、日本軍はおよそ10万人。日本軍の10万人のうち、2万数千人は沖縄の人を集めてつくられた急ごしらえの「義勇隊」「学徒隊(十代半ばの生徒)」でした。その上、武器・弾薬の量は圧倒的にアメリカ軍が勝っていました。
B 犠牲者の数は、米国側が約1.3万人、日本側が約18.8万人とみられています。このうち沖縄県出身以外の日本兵は約6.6万人、沖縄県出身の軍人などは2.8万人、一般の住民は約9.4万人。沖縄県民全体では約12.2万人以上、実に県民の4人に1人が亡くなりました。米軍の砲弾や銃弾を受けただけでなく、中には自ら命を絶つ「自決」や、伊江島などでは爆弾や服毒などで一度に多くの人が死亡する悲惨な「集団自決」もありました。今でも地中には、沖縄戦で亡くなった何千もの人の骨が埋まったままです。