@ 2020年11月16日、河野太郎特命担当大臣は「行政手続きで必要とされている押印のうち、9割以上が廃止できる。」と発表。印鑑登録などが必要な「自動車の登録」など、83を除いた手続きが廃止される方向になりました。これによって、婚姻届や離婚届の押印廃止の検討など、「認め印」はすべて廃止される見込みです。一方で、日本一の印章(ハンコ)産地である山梨県知事が政府を訪れ、「ハンコ廃止を思いとどまって欲しい」と要望するなど、ハンコ関係者は危機感を募らせています。
A ハンコの歴史は、5500年もさかのぼります。印鑑登録制度(ハンコを役所に登録しておくこと)は明治3年、今から150年前にできました。いざというときの確かな証明のために、日本人はハンコを利用してきました。何かトラブルが起これば「印鑑が押してあるので、本人が承認している。」と説明してきました。もともと日本人は、ハンコが好きです。絵や書などにもハンコを押してきました。こういう落款印のような個人の趣味のハンコは残る見通しです。たとえ銀行印が消滅するなど、手続きとしてのハンコは消えても、ハンコ文化は残るに違いありません。
B マイナンバーカードが完全に確立する時代が来れば、印鑑登録制度はいずれ消えると思われます。40年前に約6000軒あったハンコ屋は、現在では2000軒を切っています。印鑑登録制度がなくなれば、今の3分の1以下になると思われます。