@ 平成の時代も、残り2ヶ月あまりとなりました。平成の時代は、家族の形が大きく変化した時代となりました。そのことが、今、社会に大きな課題を突きつけています。その一つが「1人暮らしの世帯の急増」です。「生涯未婚率」(50歳まで一度も結婚をしたことがない人の割合)が、2015年の国勢調査の結果、男性で23%、女性で14%(男性のおよそ4人に1人、女性のおよそ7人に1人が生涯未婚)に急増し、過去最高を更新しました。
A 考えようによっては、一人暮らしを楽しむ時代になってきたとも言えます。ただ、平成で急増した一人暮らしの3分の1は、65歳以上の高齢者です。問題は、一人で暮らす高齢者の半数は、収入が一定の水準を下回る「貧困状態」にあることです。生活保護を受ける高齢者(9割は一人暮らし)も急増(去年は83万世帯)し、平成の間で3.6倍に増えました。国民年金(平均で月5.5万円)だけでは暮らしていけないのです。
B 今の年金制度は、非正規労働を長く続けてきた人や離婚した専業主婦などは、年金が低くなります。専門家は「今の年金制度は家族の変化に対応しきれていない。」と指摘しています。「家族の形が大きく変わってきているので、多様な世帯構成に対応できる『社会保障制度』や『税制』に変えていく必要がある。」と主張しています。