@ アメリカ産のいちごは、日本の輸入いちごの95%を占めています。ところで、アメリカのイチゴ産地と言えば、カリフォルニア州。なんと、全米の生産量の90%を占めています。これまで人の手で丁寧に摘み取ってきましたが、今、ロボットの開発が急ピッチで進んでいます。アメリカのいちご畑は、日本とは比べ物にならないほど広大です。中腰での作業は重労働で、低賃金で働くメキシコ移民などによって支えられています。ところが、カリフォルニア州ではトランプ政権による移民政策の厳格化(移民を簡単に受け入れない)に伴い、イチゴを収穫する農場労働者を見つけることが困難になっています。そこで急速に進んでいるのが、ロボットの開発というわけです。
A ロボットはカメラ映像で「成熟度」や「傷のつき具合」を判別。ロボットアーム(ロボットの腕)がイチゴを持ち上げ、バスケット(カゴ)にスムーズに取り込みます。収穫にはまだ早いイチゴがあれば、ロボットが自動的に判断。収穫可能な日付を“予測”して記録していきます。
B 現在、摘み取るスピードは10秒間で3個。ほぼ人間と同じです。今後はさらにスピードアップし、2年後には200台をみにす計画です。ロボット開発会社は「今のうちに人手不足対策をとっておかなければイチゴは値上がりし、手の届かない高級食材となってしまう」と話しています。手間のかかる農作業を移民に頼ってきたアメリカですが、トランプ政権の移民政策が、皮肉にもロボット開発を急がせています。