TPP
.

授業対象=中学校3年生
実施=2019.1.11


2019.1.9


要約学習の部屋に戻る

中学校教材の部屋へ戻る


全体像


教材


@ TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とは「Trans-Pacific Partnership」の略称で、アジア太平洋地域をカバーする広範な「経済連携協定(EPA)」のことです。農産品や工業製品の関税(外国から商品を輸入する際、輸入する側の国が商品に掛ける手数料)を引き下げ、輸出入を活性化して経済の発展を目指すものです。2016年に12ヵ国が署名しましたがアメリカが2017年1月に離脱したため、新しい協定としてまとめ直しました。参加国は、日本・オーストラリア・カナダ・メキシコ・ベトナムなど、11カ国となっています。

A このTPPが、2018年12月30日に発効しました。今後、数年かけて参加国同士の工業製品や農産品の関税が、段階的に引き下げられることになっています。12ヵ国で世界の国内総生産(GDP)の約13%を占め、総人口で約5億人を抱える、巨大な自由貿易圏が誕生しました。TPPにより将来的に日本の関税撤廃(関税を無くす)率は約95%になります。これによって(輸入品が安くなるので)食品の値下がりは家計にプラスとなり、輸出にも追い風となります。政府の試算によれば、日本のGDPが年7兆8千億円押し上げられ雇用は約46万人増えるとしています。ただ、逆に安い農産物が輸入されるので国内農業・漁業などは試練となります。

B TPP交渉は、(自国第一主義を主張したトランプ政権により)アメリカが離脱し、一時は頓挫(だめになること)も心配されました。が、日本がリーダーシップを執り今回の発効にこぎ着けました。今後、日本は参加国の拡大も視野に関税のない自由貿易を目指します。アメリカの保護主義的な(関税を設け、輸出入を制限する)動きや中国の不公正な貿易に対抗することになります。

.
※ 発効 =効力を発生すること。
※ 中国の不公正な貿易 =中国が、自国以外の国が時間と費用をかけて開発した技術を不法に盗んだり使ったりしていること。



合計20分〜23分扱い

  図式化(個人学習)8分 

  ⇒4人グループ(相互プレゼン;40秒×3セット) 

  ⇒全体代表プレゼン(計4人;4分)

  =合計時間 20分+アルファ






この教材を使った学習
25分間


  8分……自学(持ち出す教材は4種類@ABC、教材の文章を図式化)
  6分……4人グループ「(1対1)×3セット」で相互プレゼン
  第1セット=@とA、BとC(プレゼン時間は40秒×2)
  第2セット=@とB、AとC(プレゼン時間は40秒×2)
  第3セット=@とC、AとB(プレゼン時間は40秒×2)
  6分……全体プレゼン(@ABC、それぞれ代表者1名ずつがプレゼン)

 .


10分間
聞き取り ⇒再現(プレゼン)


  メモ(図式)を取りながら聞き取り  ……2人ペア(相互に再現)
                     ……代表者による全体プレゼン(1名)
               
 .
〜タイトル「少子化」〜

以下の図式を基に約7分間
指導者がスピーチをしました。

要旨


 少子高齢化が今、日本の大きな課題の一つと言われています。少子化をめぐる状況について調べましたので、プレゼンをします。少子化の原因は様々ありますが、この度は2つ紹介します。

 一つは「価値観の変化」です。過去と比較して「独身への偏見」が減っています。また、当事者にとっては、結婚することによって「自由が減る、奪われる」という考え方も広がっています。

 結婚しても子どもを作らないという夫婦も増えてきています。これも自由が減るという考えからが一員です。また、現実問題として子どもを大学卒業まで育てた場合、一人あたり2,000万円は要るとされており、家計的な視点から二の足を踏むところです。

 もう一つの原因として挙げられるのが、「女性の社会進出」です。晩婚化傾向が 1970年代以降続いています。男性の場合「平均初婚率」が1970年に26.9歳でしたが、現在は30.1歳です。女性の場合は、24.4歳が29.4歳になっています。

 未婚率も(2015年50歳時点)男性が24%、女性が15%となっており、年と共にその傾向が強くなってきています。

 この結果、出生率をみてみると、第2次ベビーブーム(1971年〜1974年)時は2.14人でしたが、今は1.5人以下となっています。

 少子化は社会的に大きな影響を与えてきています。おもちゃ・ベビー用品・小児科医など、子ども関連の職業に影響が出ています。遊園地・動物園などの運営にも悪影響が出ています。

 また、小学校が統廃合したり、中学校の部活動が成立しなくなったりという影響も出ています。

.




以下の指導者の意見に反論する

過疎集落⇒限界集落
などという不安感をあおる言葉が
マスコミで飛び交っています。
その根本的な問題となっているのが
少子化です。
少子化は
日本の大きな問題点の一つだということは
周知の事実となっています。

さて
少子化はマイナスだけでしょうか?

生徒の皆さんには
これまでの常識をリセットして
少子化は悪いことではない。
日本の将来にとって
いいこともあるという視点から

自分の考えをまとめて
発表しましょう。

時間は4分です。
意見は作文してはいけません。
図式化して意見をまとめてください。




  反論する
   (1) 4分 自分の意見を図式化する。文章で書かない。
   (2) 2分 2人ペア(交互にプレゼンし合う) 40秒×2
   (3) 5分 時間の残される限り、一人ずつ「全体プレゼン」

 .



これぞ
「総合的な学習の時間」で
求められている学力です。
情報を鵜呑みにするのではなく
批判的精神を持って反論する。
その向こうに
自分らしい「持論」が見えてきます。



.