限界集落
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授業対象=中学校3年生
実施=2019.1.11


2019.1.10


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全体像


教材


@ 全国で1万以上もあると言われる過疎集落。そのなかには、65歳以上の人口比率が50%を超える「限界集落」も少なくありません。しかし一方、集落滅亡の危機を脱すべく住民たちが立ち上がり、自力で再生を果たしたケースもあります。成功事例に共通しているのは、地域のリーダーやコーディネーターを中心に「住民一丸」となって再生に取り組んでいることです。

A 長野県川上村は標高1000m以上という高冷地にあり、かつては貧しい寂れた村でした。ところが村長による「農業改革」がスタート。高原野菜に適した土壌づくり、新種開発、機械導入による効率化、ブランド野菜の創出など、村民と手を取り合いながら歩みました。その結果、日本一のレタス産地となりました。30代〜40代の若手農家が多く、出生率も全国トップクラス。農家一戸当たりの平均年収は2,500万円を超えています。後継者問題とは無縁の農業王国をつくりあげています。

B 島根県隠岐郡海士町では過疎化から一転、都会からIターン者が殺到する人気の町になりました。山内道雄町長がリーダーシップを執り、人件費を含むさまざまな経費の削減を実施しました。産業振興の戦略は、地域資源を有効活用して「島をまるごとブランド(価値が高い)化」するというものです。たとえばCAS(Cells Alive System)と呼ばれる、磁場を用いて細胞を振動させたまま凍結する急速特殊冷凍技術を導入。細胞を壊すことなく保存することで、獲れたての状態で海士町の海産物を他地域へ販売する道を開きました。畜産業では「隠岐牛」というブランド牛を育成し、松阪牛に匹敵するといわれるほどの高い評価を得るまでに成長しました。

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合計20分〜23分扱い

  図式化(個人学習)8分 

  ⇒4人グループ(相互プレゼン;40秒×3セット) 

  ⇒全体代表プレゼン(計4人;4分)

  =合計時間 20分+アルファ






この教材を使った学習
25分間


  8分……自学(持ち出す教材は4種類@ABC、教材の文章を図式化)
  6分……4人グループ「(1対1)×3セット」で相互プレゼン
  第1セット=@とA、BとC(プレゼン時間は40秒×2)
  第2セット=@とB、AとC(プレゼン時間は40秒×2)
  第3セット=@とC、AとB(プレゼン時間は40秒×2)
  6分……全体プレゼン(@ABC、それぞれ代表者1名ずつがプレゼン)

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10分間
聞き取り ⇒再現(プレゼン)


  メモ(図式)を取りながら聞き取り  ……2人ペア(相互に再現)
                     ……代表者による全体プレゼン(1名)
               
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〜タイトル「少子化」〜

以下の図式を基に約7分間
指導者がスピーチをしました。

要旨


 少子高齢化が今、日本の大きな課題の一つと言われています。少子化をめぐる状況について調べましたので、プレゼンをします。少子化の原因は様々ありますが、この度は2つ紹介します。

 一つは「価値観の変化」です。過去と比較して「独身への偏見」が減っています。また、当事者にとっては、結婚することによって「自由が減る、奪われる」という考え方も広がっています。

 結婚しても子どもを作らないという夫婦も増えてきています。これも自由が減るという考えからが一員です。また、現実問題として子どもを大学卒業まで育てた場合、一人あたり2,000万円は要るとされており、家計的な視点から二の足を踏むところです。

 もう一つの原因として挙げられるのが、「女性の社会進出」です。晩婚化傾向が 1970年代以降続いています。男性の場合「平均初婚率」が1970年に26.9歳でしたが、現在は30.1歳です。女性の場合は、24.4歳が29.4歳になっています。

 未婚率も(2015年50歳時点)男性が24%、女性が15%となっており、年と共にその傾向が強くなってきています。

 この結果、出生率をみてみると、第2次ベビーブーム(1971年〜1974年)時は2.14人でしたが、今は1.5人以下となっています。

 少子化は社会的に大きな影響を与えてきています。おもちゃ・ベビー用品・小児科医など、子ども関連の職業に影響が出ています。遊園地・動物園などの運営にも悪影響が出ています。

 また、小学校が統廃合したり、中学校の部活動が成立しなくなったりという影響も出ています。

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以下の指導者の意見に反論する

過疎集落⇒限界集落
などという不安感をあおる言葉が
マスコミで飛び交っています。
その根本的な問題となっているのが
少子化です。
少子化は
日本の大きな問題点の一つだということは
周知の事実となっています。

さて
少子化はマイナスだけでしょうか?

生徒の皆さんには
これまでの常識をリセットして
少子化は悪いことではない。
日本の将来にとって
いいこともあるという視点から

自分の考えをまとめて
発表しましょう。

時間は4分です。
意見は作文してはいけません。
図式化して意見をまとめてください。




  反論する
   (1) 4分 自分の意見を図式化する。文章で書かない。
   (2) 2分 2人ペア(交互にプレゼンし合う) 40秒×2
   (3) 5分 時間の残される限り、一人ずつ「全体プレゼン」

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これぞ
「総合的な学習の時間」で
求められている学力です。
情報を鵜呑みにするのではなく
批判的精神を持って反論する。
その向こうに
自分らしい「持論」が見えてきます。



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