@ 勉強は、読んで字のごとく「勉めて強いる」、つまり、もともと「苦しい」、「ガマンする」という一面があります。逆に、それだからこそ意義があるのです。「もっとゆっくり寝ていたい」、「テレビが観たい」、……。人間はだれでも、楽な方・楽しい方を選びたいように出来ています。でも、これに流されていては精神は腐ります。誘惑に負けず、つらく苦しい場面にあえて飛び込む、頑張って机に向かう、……。この積み重ねが教養を高め、人間力を鍛え上げます。
A 勉強は本来、やりがいのある、とても楽しい営みでもあります。今まで分からなかったことが「分かった!」、できなかったことが「できた!」、そういう体験が積める世界です。逃げ出さずに頑張れば、実に人間的で価値ある喜びが体験できるのです。
B ところで、テストの成績がいいと、なぜいいのでしょうか? 率直に言うと、将来の選択肢が広がります。成績がよければよいほど、選べる学校や職業選択の幅が広がります。ただし近年、入試や就職試験において、総合的な人間力(総合的な学力)を重視して選ぶ傾向が出てきています。
C 大人になれば、学校時代に勉強が得意だったというのは、人を評価する一部分に過ぎません。ですから、成績が悪いからと言って悲観したり劣等感を持ったりする必要は、全くありません。また、成績がいいからといって「優越感」を持つ必要もありません。大事なのは、温かい心を持ち、前むきに、ひたむきに、いつでもどんなことにもベストを尽くして生きている、その姿です。