@ 1950年に発表された「日本食品標準成分表(科学技術庁)」によると、ほうれん草100g中のビタミンCは150mgとなっています。ところが、60年後の2010年版では35mgと激減しています。こうした栄養成分の減少傾向は、ほかの野菜も同じ傾向にあります。野菜の栄養価がパワーダウンしているのです。その原因は、農薬や土質(土の成分)だと言われています。いくら野菜を食べても野菜不足になってしまうという、大きな問題が指摘されているのです。
A こういう現状にあって、いま注目されているのが「スピルリナ」です。スピルリナにはビタミン・ミネラル・アミノ酸に加え、食物繊維・不飽和脂肪酸など50種以上の健康・栄養成分を豊富に含んでいます。スピルリナの大きさは0.3〜0.5mmほどと非常に小さく、藍藻の仲間です。誕生は約30億年もの昔にさかのぼります。地球が誕生が約46億年前ですから、地球上に最初に出現した植物の一種がスピルリナだと言われています。スピルリナは植物と動物に分化する以前に誕生した生物と考えられ、動物と植物両方の特徴を併せ持つ非常に珍しい生物なのです。
B スピルリナの生育する湖は、高温(水温30〜35度)・強アルカリという他の動植物が繁殖しにくい特殊な条件の下で、強い太陽光線をあびて育ちます。これらの条件を満たす湖では他の微生物はとうてい住むことが出来ず、またこれらの条件を満たす湖は特定の場所にしか存在しません。そこで人工的にスピルリナの棲める環境を作って、量産する計画が持ち上がっています。