@ ペットをあまりに多く飼育するあまり、面倒を見切れなくなる「多頭飼育崩壊」が後を絶ちません。例えばFさんの家庭で飼われていたのは最初は、純血種のアメリカン・ショートヘアのオスとメスが1匹ずつでした。が、不妊・去勢手術を受けさせないまま自然繁殖が繰り返され、猫が増え続けました。飼い主が手術を避けた理由は、「子猫がかわいいから」とのこと。そのうち、糞尿のにおいが立ち込め、壁や家具がボロボロになっていきました。
A この家から猫たちを救出したのは「NPO法人ねこけん」です。これまでに何度も「多頭飼育崩壊」の現場から猫を救出してきた保護団体です。今回のケースでは、飼い主本人からの「家族は精神的に限界に近づいている。助けてほしい。」という要請を受けて救助に向かいました。救出時、現場にいたのは46匹。やせ細った猫たちが次々と発見されました。
B 猫の世界では、交尾をしたいメスが子育て中の場合、オスが子猫を攻撃する“子殺し”が起こります。メスを子育てから解放し、再び発情を促すためです。同時にエサの奪い合いの結果、子猫を食べることもあります。実際、近所に住む娘さんは「猫が子猫を食べる瞬間を見た」といいます。頭だけがない子猫がそこら辺に転がっていたこともあったそうです。