@ オーストラリアでは、座りすぎに注意を促す取組を展開しています。その背景には、長く座ることの問題を指摘した研究報告にあります。国内の45歳以上の男女22万人を3年近くにわたって追跡した調査、期間中に亡くなった人たちの生活スタイルを調べたところ、座る時間が大きく影響していました。1日4時間未満の人たちと比べて11時間以上だった人たちは、死亡するリスクが40%も高まっていたのです。
A なぜ、長く座り続けることが健康へのリスクを高めるのか。“座位行動”研究の第一人者オーウェン博士は、次のように語っています。「立ったり歩いたりしているときは脚の筋肉がよく働きます。このとき、筋肉の細胞内では血液中から糖や中性脂肪が取り込まれ、エネルギーとして消費される“代謝”が盛んに行われます。ところが座ると、脚の筋肉が活動せず、糖や中性脂肪が取り込まれにくくなり、血液中で増えてしまいます。さらに座った状態が長く続くことで全身を巡る血流が悪化し、血液がどろどろになります。その結果、心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病などの病気になりやすくなるのです。」
B オーストラリアの学校では、立ったり座ったり出来る「可動式の机と椅子」が広がりつつあります。また、大人社会でもデスクワークは立って行う机が広がりつつあります。日本は世界でも座る時間が一番長い国という統計があります。今後、座ったままの生活を見直す必要があります。