米の生産目標
14万トン減


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2015.01.15(木)


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山陰中央新聞
2015.01.




全体像













生産目標
14万トン減


 2014.11.28 農水省は、来年度の主食米生産目標を 751万トン(昨年度比 14万トン減)と発表しました。在庫(備蓄米)を平年並みの 739万トンに押さえることを基準に出された目標値です。ちなみに、今年度(2014年度)の場合は目標 765万トンに対して、実際は 789万トン(+24万トン)でした。

 この目標を達成するために、政府は 減収協力者に5千円(10aあたり)の補助金を、飼料米生産者に手厚い添削補助金を準備する施策を行います。

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コメント
蛇足ではありますが……

平成5年(1993年)
日本は記録的な冷夏によって
米不足現象を起こしました。

これを
大正時代に発生した米騒動にたとえて
マスコミは
平成の米騒動と呼びました。

この年
消費者はもとより
卸売り業者までもが
米の確保に奔走し
小売店の店頭から米が消える
といった混乱が発生しました。

幸いにも
翌1994年は、
夏の猛暑により
米作柄が回復したことを受け
早めに騒動は終息しました。

ちなみに
日本政府は対政府の備蓄米を
ごっそり買い占めました。
この影響で
タイ国内では米価格が高騰。
貧困層に餓死者も出るなどしました。

にも関わらず
事態終息以降に
タイ米は人気不足もあって
大量に売れ残りました。
不法投棄されたり
家畜の飼料にされたりするなど
食品廃材として処理されたのです。


以上
思い出したくない
過去の出来事です。








その背景


 米価が長期低迷傾向にあります。政府方針の理由は、高齢化により米の消費が減少していることが一つ挙げられます。また、2013年の豊作を受けてコメは在庫過剰にあります。供給が減れば価格は上がるので、政府はそれをねらっているのです。

 ちなみに、2018年度から生産調整(減反政策)は中止されます。

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コメント
「もったいない」
という言葉は
何時の頃から
死語(?)になったのでしょうか?。

以下
サイトから引用します。
http://www.chikyumura.org/environmental/earth_problem/food_crisis.html


日本の食品の半分以上は、世界から輸入したものです。

私たちは年間 5500万トンの食糧を輸入しながら、1800万トンも捨てています。

食糧の廃棄率では世界一の消費大国アメリカを上回り、廃棄量は世界の食料援助総量470万トン(WFP)をはるかに上回り、3000万人分(途上国の5000万人分)の年間食料に匹敵しています。

日本の食品廃棄の実に半分以上にあたる、1000万トンが家庭から捨てられています。

この家庭からでる残飯の総額は、日本全体で年間11兆円(旧科学技術庁「資源調査会第123回報告」)
これは日本の農水産業の生産額とほぼ同額です。
さらにその処理費用で、2兆円が使われています。

日本はほど大量に食糧を輸入しながら、廃棄を続けている国はないのです。

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穀物自給率
オーストラリア 241%
フランス 174%
アメリカ 125%
ドイツ 124%
インド 104%
中国 103%
北朝鮮 77%
日本 26%
※農水省「食料需給表平成24年度版」









割り当て


 今回の減収割り当てで多いのは、宮城・山形の ー3.9%、秋田のー3.6%。東北地方に偏っています。逆にプラスの地方もあります。佐賀が+2.4%、神奈川・徳島・長崎が+1%台です。ちなみに、島根はー2.8%、鳥取がー1.7% となっています。

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コメント
1970年代から始まった
減反政策は
2018年度から終了します。

ある意味
コメの需給をめぐっての
船頭さんがいなくなります。

多く獲れれば
コメは安くなります。

いや
農業従事者の高齢化により
減反しなくても
耕作放棄地は
年々増えてきています。

今年度の米価では
農業はやっていけないと
あちこちで耳にしました。

5年後10年後
日本のコメ作りは
どんな姿になっているのでしょうか?

ふと浮かんでくるのは
悲しい現状と
寂しい風景です、……。








教材
上級編


@ 2014.11.28 農水省は、来年度の主食米生産目標を 751万トン(昨年度比 14万トン減)と発表しました。在庫(備蓄米)を平年並みの 739万トンに押さえることを基準に出された目標値です。ちなみに、今年度(2014年度)の場合は目標 765万トンに対して、実際は 789万トン(+24万トン)でした。

A この目標を達成するために、政府は 減収協力者に5千円(10aあたり)の補助金を、飼料米生産者に手厚い添削補助金を準備する施策を行います。

B 米価が長期低迷傾向にあります。政府方針の理由は、高齢化により米の消費が減少していることが一つ挙げられます。また、2013年の豊作を受けてコメは在庫過剰にあります。供給が減れば価格は上がるので、政府はそれをねらっているのです。ちなみに、2018年度から生産調整(減反政策)は中止されます。

C 今回の減収割り当てで多いのは、宮城・山形の ー3.9%、秋田のー3.6%。東北地方に偏っています。逆にプラスの地方もあります。佐賀が+2.4%、神奈川・徳島・長崎が+1%台です。ちなみに、島根はー2.8%、鳥取がー1.7% となっています。

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コメント
いちおう教材として
形は整っています。

農業の実態や農業政策
その全体像から観ると
この教材の内容は
ごくごく一部の紹介でしかありません。

教室に持ち出すとしたら
C段落は必要ないか所です。

この部分の代わりに
背景を「赤」にした
食糧自給率のデータを盛り込んで
少し立体的にした方がいいかと
教材文を読み返して
ふと思いました。





上級編


@ 日本の食品の半分以上は、世界から輸入したものです。日本は、年間 5,500万トンの食糧を輸入しながら、1,800万トンも捨てています。食糧廃棄量は、世界の食料援助総量470万トンをはるかに上回り、3,000万人分(途上国の5,000万人分)の年間食料に匹敵しています。日本ほど大量に食糧を輸入しながら、廃棄を続けている国は、世界には見あたりません。

A なお、日本の食品廃棄の実に半分以上にあたる、1,000万トンが家庭から捨てられています。この家庭から出る残飯の総額は、日本全体で年間11兆円に上ります。これは、日本の農水産業の生産額とほぼ同額です。さらにその処理費用で、2兆円が使われているのです。


B ところで、2014.11.28 農水省は、来年度の主食米生産目標を 751万トン(昨年度比 14万トン減)と発表しました。この目標を達成するために、政府は 減収協力者に5千円(10aあたり)の補助金を、また、飼料米生産者に手厚い添削補助金を準備すると発表しました。

B 一方、米価が長期低迷傾向にあります。政府方針の理由は、高齢化により米の消費が減少していることが一つ挙げられます。また、2013年の豊作を受けてコメは在庫過剰にあります。供給が減れば価格は上がるので、政府はそれをねらっているのです。ちなみに、2018年度から生産調整(減反政策)は中止されます。

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