2014.12.02(火)
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全体像
心得
次の点には、十分注意します。 1)寄り道をしない。 話しているテーマは何か、いつも意識しながら話す。頭に浮かんでくることを、だらだらとしゃべらないこと。 2)一文を短くする。 理解しにくい話の原因の一つは、長文。分かりやすい話し方は、短文の積み重ねと心得よ。 3)思いつきをしゃべるな。 4)主語と述語を離すな。 一文が長いと、得てして諸語と述語が離れます。 5)修飾語を極力少なくする。 修飾語が間に入ると、自然、主語と述語が離れます。理解しにくい話になります。
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此このシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿はなむことして迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
すぱっと端的に!
上の文章の通りです。専門用語をだらだらと並べ立てて、詳しく説明したつもりでも、聞く方はいたずらに混乱するだけです。キーワードは、「すぱっと、端的に!」です。
7)一文が二つの意味に取れる恐れがある場合は、文を二つに分ける。 8)だらだら文になり勝ちなので、接続助詞「が」を極力使わない。 9)二重否定は理解しにくい。使わない。 10)助詞「の」を多用しない。主格の「の」なのか、所有格の「の」なのか、判断しにくいケースが少なくない。 11)英語・カタカナ語を多用しない。理解しにくい元。 12)「酒が人生を狂わせる。」のような、無生物主語を避ける。これについては、8章で詳説。