「分かりやすい説明」のルール

第2章
こんなアドバイスはいらない


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筆者:木暮太一 氏

2014.12.02(火)


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全体像










出来た気にさせるだけのアドバイス


1)理解できたかときどき質問する。
 漠然と分からない人とか、質問したくない人もいます。

2)比喩を使え。
 比喩は具体例とは違います。比喩は抽象的な内容をより明確にイメージ化するときに有効です。しかし、分かった気にさせる場合があるのが要注意。

3)話し言葉を使え。
 確かに印象が柔らかくはなります。が、表現があいまいになり勝ちです。

4)ゆっくり、ハッキリと話す。
 早口、滑舌、もごもごなどは、当然の心得。説明以前の問題です。

5)ジェスチャー、図表を使え。
 これらは、あくまでも補助的な手段です。

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コメント
いずれも心当たりがあります。
(1)については
やたら説明中に
「ここまでよろしいですか?」と
問いかける方に出会いました。

よろしくなくても
なかなか質問できないものです。

(2)については
確かに比喩と具体例は違います。
混同しないよう
気を付けないといけません。

(3)については
相手によりけり
場の雰囲気によりけりですが
話し言葉はなるほど
ついつい
ぼかした表現になり勝ちです。

説明の際は
すぱっと切れ味よく
これが原則ですね。








行動改善につながらないアドバイス


1)もう少し分かりやすく。もう少しかみ砕いて。
 これらについては、技術がないと無理です。

2)客観的に自分の説明を振り返れ。
 文章なら読み返せますが、説明は音声です。ただ、次につなげるなら録音を取って研究は出来ます。

3)第三者にチェックしてもらえ。
 そういう暇な人がいればいいのですが、……。

4)相手のレベルにあわせよ。
 このアドバイスは、相手を知って初めて出来ることです。

5)説明漏れを防げ。
 これが自分で分かれば、苦労はしません。

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コメント
(1)については
小学生相手に
わかりやすい解説をする
池上彰さんには
いつも感心します。

(2)については
気恥ずかしい気持ちもあって
やったことがありません。
自分の姿を客観的に観察すると
なくて七癖
いろいろと
気づくことがあろうと思います。

(3)については
なかなか欠点や改善点について
教えてはもらえないものです。
遠慮があるのでしょうね。

ちなみに
以前
愚弟の講義を受ける機会があったとき
2点気づいたので
あとで率直にアドバイスしました。
自分では気が付かなかったと
喜んでいました。

その後
もう一度聞く機会がありました。
見事に改善されていました。

その2点とは
しばしば語尾が不明瞭になる。
「え〜」がやたら多い。