消費税問題
経済対策セットで増税


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2014.11.24(月)


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山陰中央新報
2014.11.5




全体像

湯本健治 氏(日本総研副理事長)












プラス面


 消費税増税後、企業収益が上がり、賃金上昇圧力が高まっています。大企業(製造)の設備投資も2桁上昇となっています。先般、日銀は大胆な金融緩和を行いました。消費税増税に追い風となっています。ただ、物価上昇に実質賃金が追いついていないこと、円安が加速して地方や中小企業が打撃を受けていることは、要注意です。

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コメント
物価上昇に実質賃金が追いついていない。
円安が加速して地方や中小企業が打撃を受けている。

マスコミでは
このことを重視しています。

一部の大企業は
そうとう収益を上げています。
トヨタなど
私の概算では
社員一人あたり
数千万円の儲けです。
しかし
それが社員に行き渡っていません。
設備投資も控えめです。

将来への備えを優先したからと思います。

もっとも
一部の大もうけの大企業のみ
給料を上げると
全体のバランスが崩れます。

円安は
輸入業者・中小企業を
予想外に叩いているようです。

工場の海外移転(産業の空洞化)の他に
やはり今の日本は
内需で支えられている
という証だと思います。








マイナス面


 2014年7月〜9月のGDPが、前年比2.2% の成長となっています。消費税導入直後(4月〜6月)が ー7.1% でしたから、GDPは持ち直しつつありますが、まだ弱いと言わざるを得ません。

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コメント
少子高齢化の日本です。
恐らくは
これからの日本は
高度成長期のような
右肩上がりの経済成長は
望めないのではないでしょうか?

デフレはデフレなりに
慎ましやかな暮らしには
似合っているのかも知れません。









増税には条件付き


 こういう現状をかんがみ、10% に増税する場合には、5兆円規模の経済対策が必要です。これまでのような公共事業ではダメです。例えば、次のような対策を望みます。
○ 低所得層への給付金
○ 地方・中小企業支援
○ 女性の活躍促進
○ 法人税率 2%削減
岩盤規制改革の迅速化

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岩盤規制改革とは?

 農業、医療の各分野は、長年にわたって制度改革の必要性が叫ばれながら大きな変化がみられず、「岩盤規制」とも呼び慣わされてきた。アベノミクスの成長戦略と規制改革実施計画には、その岩盤にドリルで穴を開けるとも言うべき内容が含まれる。

 その一つは、農業分野における農業委員会・農業生産法人・農業協同組合(農協)の一体的改革である。すなわち、農業委員の選出方法を選挙や議会推薦から市町村長による選任に改め、事務局機能を強化する。また、農地を所有できる法人である農業生産法人への農業関係者以外の者の出資を2分の1まで認める。農協については中央会の機能を弱め、単位農協の活性化を進めるとともに信用事業や共済事業では窓口機能に特化させる。

 もう一つは、医療分野における保険外併用療養制度(いわゆる混合診療)の拡大である。すなわち、患者からの申し出を起点として、国内未承認医薬品等の使用や国内承認済みの医薬品等の適応外使用などを迅速に保険外併用療養として実施できるよう「患者申出療養(仮称)」を創設する。

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〜日本経済新聞より引用〜


コメント
何も手だてを講ずることなく
万人に大きな影響を及ぼす
増税をすれば
経済が冷え込んで
再びデフレに逆戻りする。

この理屈はよく分かります。
とりわけ
消費税増税は逆進性があると
マスコミが指摘しています。

公明党は軽減税率を主張しています。
しかし
対象となる食料品の範囲など
多くの困難が予想されます。

その点
筆者が提言する
低所得層への給付金は
現実的かと思います。









増税やむなし


 日本は、深刻な社会保障への財源不足にあります。増大する財政赤字の問題もあります。日本財政への海外からの信認という視点もあります。少子高齢化・人口減少にあって、10%への増税はやむを得ません。なお、「アベノミクス」に盛り込まれている成長戦略(社会保障改革・歳入歳出の構造改革)なくしては、増税は困難と言えます。

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コメント
こういう財政的な背景を語らずに
税収について語ることは出来ません。

国民受けするのは
増税なしに決まっています。

しかし
高い視点に立ち
広い視野を持ってみるとき
増税無くして
日本は成立しません。

それを確認した上で
増税時の手当を考えるのが
順当な考え方だと
私は思います。








教材
上級編


@ 消費税増税後、企業収益が上がり、賃金上昇圧力が高まっています。大企業(製造)の設備投資も2桁上昇となっています。先般、日銀は大胆な金融緩和を行いました。消費税増税に追い風となっています。ただ、物価上昇に実質賃金が追いついていないこと、円安が加速して地方や中小企業が打撃を受けていることは、要注意です。

A 2014年7月〜9月のGDPが、前年比2.2% の成長となっています。消費税導入直後(4月〜6月)が ー7.1% でしたから、GDPは持ち直しつつありますが、まだ弱いと言わざるを得ません。

B こういう現状をかんがみ、10% に増税する場合には、5兆円規模の経済対策が必要です。これまでのような公共事業ではダメです。例えば、次のような対策を望みます。
○ 低所得層への給付金
○ 地方・中小企業支援
○ 女性の活躍促進
○ 法人税率 2%削減
岩盤規制改革の迅速化

C 日本は、深刻な社会保障への財源不足にあります。増大する財政赤字の問題もあります。日本財政への海外からの信認という視点もあります。少子高齢化・人口減少にあって、10%への増税はやむを得ません。なお、「アベノミクス」に盛り込まれている成長戦略(社会保障改革・歳入歳出の構造改革)なくしては、増税は困難と言えます。

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コメント
この増税案を提示するとき
あわせて
増税反対の論を
教室に持ち込まないと
教材としては
よろしくありません。





消費税増税反対