要約学習を終えて
子ども達からの礼状
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2014.10.17(金)


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 連続して行ったA小学校での要約学習。10/3〜10/14の間に、合計5時間行いました。対象は、6年生8名、5年生12名。実に前向きに果敢に取り組んでくれました。さすがに連続して実施しただけあって、要約学習の趣旨に添って、ばりばりメキメキ力を付けてくれました。

 その子ども達から、心のこもった礼状が届きました。礼状だからいいことしか書いていないと分かっていても、受け取ったり読んだりすることは嬉しいものです。

 今回は、その中からいくつかを取り上げ、コメントを書くことにしました。

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上達を実感しました




自覚するほどに
図式の書き方が上達したり
それを基にプレゼンしたりする力が
伸びたという感想です。
確かに明らかに
みるみる上達した子が
何人もいました。
嬉しかったです。
集中的に行うことは
スポーツも学習も
成果が上がると再認識しました。











図式にしたら
覚えやすくて言いやすい





そこです。
これです。
図式が脳裏に痕跡を残し
何も見ずにプレゼンできる力を
貸してくれます。
図式の力を
実感してくれましたね。











要約学習で学んだことを
日常生活に応用します





授業でも言いました。
要約学習は
日頃の生活の中で
鍛えたり伸ばしたりする場が
ふんだんにあります。

その都度
これは要約力・プレゼン力を
伸ばしているんだと
自覚するだけで
ぜんぜん違います。











プレゼンしたら
頭の中にハッキリ残りました





これが勉強のコツの一つです。
文章で読んだことを
誰かに伝える。
学校の授業で学んだことを
例えば家に人に伝える。
この伝える行為を通して
知識が脳裏に定着します。











勉強や生活に生かしていきます




1時間目は音声言語のみ。
2時間目から5時間目は
文章を読んで図式にまとめ
それを基にプレゼン。
出来れば何も見ずにプレゼン。
こういう流れにしました。

文章の難易度は
だんだん上げていって
第4時間目がいちばんピーク。
苦しかったと思います。

最後の5時間目は
わざと少し難易度を落としました。
出来る! やれる!
というよい印象を持って
要約学習を終えたいと考えたからです。

ねらった通り
6時間目の図式
プレゼンともに
クラス全体的に
大きな拍手を送りました。











タイミングのよいアドバイス




図式にしろ
プレゼンにしろ
一人一人
つまずきや困難さが違います。
文章内容によっても
出来たりうまく行かなかったりします。

子ども達の様子を見て回りながら
どのタイミングで
どのような助言・支援をすべきか
まだ
ひとりひとり
子どもの実態を把握していないので
暗中模索でした。

アドバイスについては
正直なところ
自信がありません。

今回
初めて試みた方法の一つがあります。
私の書いた図式の使い方です。
教室の後ろに
bP〜bSまで並べておきました。

5分経ったとき
混乱したら参考に見に行っていいとしました。
2〜3人が見に行っていました。

全部書き終えたら
見に行っていいと伝えました。
7〜8人が見に行きました。











図式を書きたい




嬉しいですね。
日頃の生活の中で
ただ単にキーワードでメモしていたのを
ちょっと踏ん張って
図式的にメモするよう頑張る。
これだけで
聞き取る力
読みとる力
まとめる力
理解する力が
ぐんぐん伸びます。











教材の題材も命




国語科と一緒です。
要約学習においても
学力を付けるために準備する
教材の内容(題材)こそ
実は
密かに授業者(私)の
力の入れどころの一つです。

導入時は
どうしても
動植物・不思議の世界など
複雑でなくて
えっ? ほんと! など
少しの驚きを与える題材から
教材を作成します。

少し進むと
いちばん狙っているのは
社会の出来事です。

消費税問題
原発問題
再生エネルギー
エネルギー問題
国家財政
温暖化
過疎化
少子高齢化
世界で起こっている紛争

水素発電
燃料電池自動車
リニアモーターカー
………………











他の授業に生かします




図式を書く時間は
基本的に 15分を与えます。

ずらずらと
文章で書き写したり
時間が余ったので
さらに書き加えたりがないよう
ときどき
注意を促します。

余った時間は
極力
図式を見ないでプレゼンめざし
その練習にあててもらいます。

図式は
コンパクトであるほど
その図式を見ないで
プレゼンできます。

この趣旨について
この生徒は
よく理解して
前向きに取り組んでくれました。












読んだことが勉強になりました




国語と一緒です。
要約学習も文章を持ち出す以上
その内容は
子ども達にとって
大きな要素です。

どんな内容の教材を準備していくのか?
子ども達を驚かしてやりたい。
是非こういうことは理解しておいてほしい。
感動させてやりたいな。
など
授業中をイメージしながら
教材づくりをしています。














だんだん図式が分かってきました




習うより慣れろといいます。
図式の場合もしかり。
何度も図式を書いたり
よい図式を見たりしているうちに
必ず上達します。













背中を乗り越えろ!




指導者も
さりげなく
どうだっ!
という自慢の図式
(いつも自慢できる図式は書けませんが)
お手本を
子ども達に示してやりたいと
思っています。

スポーツの指導や上達と
一緒の世界です。













最後は全体発表できました!




この児童については
回を重ねるごとに
図式のコツを
マスターしてくれました。

どちらかというと
引っ込み思案の子でしたが
私が背中を押して
最後の授業では
代表・全体発表を
立派にやってくれました。








総合的な学習の時間を
5時間も提供してくださった
校長先生
学級担任の先生には
感謝の気持ちでいっぱいです。

授業を通して
さまざまなメッセージを
伝えることも出来ました。


 プレゼン・スピーチなど、人に何かを伝える場合は、「伝えたい!」という熱い思い、強い気持ちを前面に押し出して話そう。その思いが強ければ強いほど、伝わるパワーがアップします。(大勢の人前で上がるなどという不安などは、吹っ飛びます。)

 よい聞き手になろう。相手が何を伝えようとしているのか、全力投球で聞こう。「うんうん」「へぇ〜」「それで」など、相づちも入れよう。話す人が話しやすくなります。人の話を一生懸命聞ける人は、誰からも好かれます。

 プレゼンは、聞く人を見て話すとパワーが生まれます。伝わりやすくなります。下を向いて、作文やメモを見ながらのプレゼンは、相手の集中力を削ぎます。めざせ、見ずにプレゼン!

 よい図式は、ずらずら文章を書いていません。ずらずら文章を書いてあると、ぱっと見て内容を思い出せません。プレゼンの時に、ついつい読んでしまい勝ちです。よい図式は、コンパクトに「単語」(キーワード)で!

 算数や社会や理科など、基本的には先生から教わるのが学校です。でも、学校を卒業してからも、先生がそばにいなくても、勉強(学習)は続きます。自分の力で調べて理解していく勉強。その勉強の仕方を身に付けるのが、「総合的な学習の時間」であるとともに「要約学習」でもあります。

 いろんなことに疑問を抱く姿勢が大事です。皆さんのまわりには、エネルギーの問題、少子高齢化の問題、過疎化の問題、集団的自衛権の問題、尖閣諸島や竹島の問題、栄養や免疫力の問題、消費税率の問題など、理解すべき課題が数限りなくあります。さまざまなことに興味・関心を持ち、自分なりの見解が述べられる、立派な社会人になってほしいです。

 図式は、理科や社会や保健など、他の教科でもどんどん活用してください。家庭学習(予習)でも使ってください。図式を書けば、いい加減な理解が避けられます。図式が書けたということは、「分かった!」ということです。

 学んだことを人に話して教えてあげると、話した内容が頭にしっかり残ります。この方法は、テスト勉強でも役立ちます。

 図式を書けば、内容が自分の頭に「絵」としてしっかり残ります。スピーチをする場合、手ぶらでも話せます。

 聞いたことをまとめたり人に伝えたりする。読んだことをまとめたり人に伝えたりする。 ……こういう場面は、日常生活でよく出てきます。全てが「要約学習」です。そう意識するだけで、総合的な学力が伸びます。

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