分かりやすく〔伝える〕技術
第3章
著者;池上 彰

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2014.9.18(木)


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全体像










視聴者の立場で!


 1988年、38歳の時に「ニュースセンター845」のキャスターになりました。もともと記者だった私にとって、アナウンサーは全くの素人。多くのことを学びました。特に2つあります。

 一つは、「視聴者の立場で!」という心得です。届いた原稿は、分かりやすく書き換えます。例えば、「A鉄道の料金が上がります。」の場合は、関係者の人が聞き落とさないようにするため、「A鉄道を利用している皆さん、料金が上がります。」とします。

 また、読んでみてひと息で読めない文章は、短文に書き換えます。長文は理解しにくい場合が多いので、短文で畳みかけるような文章に仕立て直します。接続詞も極力避けるように書き換えます。

 二つ目は、「図解にする」ことです。音声では理解しにくい、ふさわしい映像がない場合は、出来るだけ図解を準備します。いわば、「図解(映像)と文章のコラボ」です。

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コメント
長文(一般的に40字以上)が
読む人にとって
理解しにくいというのは
とてもよく分かります。

また
音声による説明を
しっかりと支えてくれて
理解を助けてくれるのが
映像や図解(図式)というのも
とてもよく分かります。

この2点については
常に念頭に置きたい
キーワードです。








無知の知


 「イブニングネットワーク」の番組では、「無知の知」を知りました。「在宅起訴されました。」と伝えても、「在宅起訴」の意味を知らない人にとっては、とても難しい文章になります。「逮捕しないで取り調べられました。」とすれば、分かりやすくなります。

 「週刊こどもニュース」(1994年〜)に至っては、ことごとく「無知の知」オンパレードです。「政府は、……」「官房長官は、……」など、一つ一つの言葉に質問が飛んできます。

 こういう体験を通して気づいたことがあります。あれもこれもと欲張らないことです。ざっくりと話すことです。その場合有効なのは、話す内容の「図解」(全体像)があることです。どこをカットすべきかが、一目瞭然で分かります。

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コメント
要約学習の教材を作っていて
いつもぶつかる課題の一つが
「無知の知」です。
自分自身が鍛えられます。

下線部については
全く同感です。
自分が書いた図式が
手元にあれば
どこが枝葉か
どこが大黒柱か
話ながらでも
選り分けが可能です。