要約力
第2章

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2014.9.07(日)


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全体像











日本人は
要約力が弱い


 日本人の特徴として、論拠を求めない思考習慣があります。情操教育の方が大事だという認識があります。今でも、「前例主義」「ことなかれ主義」が主流といえます。

 何事につけて「そんなもんだ」という情緒的、短絡的、感情的思考が一般的です。若者の間で流行し始めている言い方もあいまいです。「〜みたいな」「オレ的には……」「〜だったり」といった具合です。

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コメント
外国人の特徴はさておいて
日本人の特徴については
私を含めて
なるほどと思い当たる節が
いくつも浮かんできます。

私の年代には存在しない
「〜みたいな」「オレ的には……」「〜だったり」
という言い方については
自己主張を抑えるとともに
反論されても大丈夫なように
予防線を張っているように思えます。

日常会話の場合は
もうこの流れは止まりませんが
会議中に
こういう言い回しをされると
話し合いの切れ味が
ガクンと悪くなります。










アメリカ人の思考傾向


 日本人の「そんなもんだ」に対して、アメリカ人の思考は「なぜだろう?」という追求傾向があります。

 学校教育においては、「文章の読み方」「レポートの書き方」「ディスカッションの仕方」など、要約トレーニング(論理的思考の訓練)を徹底的に学ばせます。意見表明を重視しているのです。

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コメント
欧米においては
国境を接していたり
多民族国家だったり
宗教観の諍いがあったり
ということで
自分の意見をしっかり述べたり
相手を説得したり
論理的思考を重視すると
何かの本で読んだことがあります。

その点
日本の国語教育
とりわけ小学校国語においては
文学的文章の読み深めに
力点が置かれる傾向にあると
私は思っています。










日本語と英語


 日本語と英語の構造を比べるとき、いちばん特徴的なのが「結論」の位置です。日本語は結論が文末に来ます。しかも、あいまい表現が多いのも特徴です。

 それに対して英語は、結論が先に来ます。「私は〜と思います。その理由は、……。」という構文です。これは、要約しやすい構造です。

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コメント
この日本語の欠点は
結論を先に言う
短文で言う
語尾をハッキリ言う
などの対応によって
十分解決できると思います。










ゲーム脳


 森 昭雄教授(日本大学教授)は「ゲーム脳」の問題点を指摘しました。テレビゲームのやりすぎは、痴呆症と同じ脳波(β波)が低下。前頭葉の働きが低下し、思考や感情レベルが下がります。ケータイメールは、思考の省略、(絵文字など)感覚的表現に走り勝ちです。これは、要約脳をむしばみます。

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コメント
ゲーム脳の恐怖については
全国各所で
親子講演会がなされてきていると思います。

その後
子ども達の実態は改善されたでしょうか?

ときに徹夜をしてまで
テレビゲームにどっぷりつかる生徒に
関わったことがあります。
保護者も子どもに別室を与え
ゲームソフトをふんだんに買い与え
ほとんど放任の世界です。

要約脳がむしばまれるどころか
ほとんど獣的な思考・言動でした。

地元の田舎では
小中学生は持っていませんが
さらに近年は
子ども達の間に
スマホ・ケータイが行き渡り
さまざまな社会問題を引き起こしています。

せっかく生み出されてきている
文明の利器だというのに
これでは本末転倒です。

親子が友達関係である限り
また
親が強権的体罰的である限り
好ましい生活習慣の形成
基本的なしつけは
ほぼ絶望的と
私には思えてなりません。