がん幹細胞
人工的に作ることに成功

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2014.7.11(金)


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 7月10日(木)の朝日新聞の記事から、標記のタイトルの内容を図式化しました。

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図式


 京都大学と神戸大学は7月10日、iPS細胞誘導技術をがん研究に応用することで、人工的に「大腸がん幹細胞」(ガンの親玉)を作製することに成功したと発表しました。

 がんの転移・再発の原因となる細胞である「がん幹細胞」は、ヒトのがん組織中に少数しか存在せず、十分な量の採取が難しいことから、解析が難しいという課題がありました。

 今回、研究グループでは、iPS細胞誘導の際に用いられる遺伝子を「大腸がん細胞株」に導入して培養、一部(2〜5%)のがん細胞が大腸がん幹細胞になったとのことです。

 さらに、マウスへの移植実験から、ヒト大腸がんに似た腫瘍を造る能力を有していることも確認しました。

 なお、研究グループでは、これを機に、さまざまながん幹細胞に関する研究が進み、新薬開発に役立つとしています。今後は、他の臓器についても研究を広げていきたいとのことです。

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統計的に
男性ではおおよそ2人に1人
女性では3人に1人が
ガンにかかるとされています。

また
ガンによる死亡は
男性で4人に1人
女性で6人に1人。

まさにガンは
国民的な大病と言えます。

ガン撲滅までには
まだまだ
年月が必要と思われます。

癌治療の研究は
着実に前進しています。

なお
「ガン幹細胞」に関して
次のサイトが
とても参考になりました。









以下は
九州大学のサイト
「がん幹細胞の撲滅による新しいがん治療法の開発に成功」
から引用させていただきました。

 がん細胞の根源であるがん幹細胞はほとんど増殖しない冬眠状態のため、抗がん剤が効かない。

 冬眠の維持に必要なたんぱく質「Fbxw7」を無力化すると、
がん幹細胞が眠りから覚めて、抗がん剤で死滅することを発見。これを「静止期追い出し療法」と命名。

 白血病をはじめとする多くのがんの根本治療の実現に期待。

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 近年、がん組織を構成している細胞群にはヒエラルキー(上下関係)が存在し、多くの「がん細胞」はこのヒエラルキーの最上位に位置するごく少数の「がん幹細胞」から生じると考えられるようになっています。

 これまでの研究により、この
がん幹細胞は、抗がん剤治療や放射線療法などの、従来のがん治療に抵抗性を示すことが知られています。そのため、がん治療によってがん細胞が死滅し、がんが治癒したと思われる場合でも、その多くの場合ごく少数のがん幹細胞が残存しています。

 原発巣(最初にがんが発生した場所)において、この残存した
がん幹細胞から再びがん細胞が生じるのが「再発」であり、がん幹細胞が他の部位へ移動しがん細胞を生じるのが「転移」です。

 
がん幹細胞の治療が難しい原因として、がん幹細胞がほとんど増殖活動をしていないことが挙げられます。「がん」という言葉を聞くと、盛んに増殖している細胞をイメージしますが、がん幹細胞は増殖期を脱出して「静止期」と呼ばれる特殊な冬眠状態にとどまっており、細胞増殖をほとんど行っていません。

 
がん幹細胞が発見される以前のがん治療は、がん細胞の増殖を抑制することを目的として開発されてきたために、がん幹細胞には効果を発揮できませんでした。したがって、がん幹細胞を静止期から増殖期に移行させることにより、がん幹細胞の治療抵抗性を打ち破れば、がん根治療法の開発に直結すると期待されます。

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