プレゼンとはプレゼント
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2014.6.22(日)


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プレゼンとはプレゼント
〜プレゼンテーションの語源は贈り物〜


 プレゼンテーションの語源を調べていくと「プレゼント」という言葉にたどりつきます。プレゼンテーションの基本的な考え方は、贈り物です。

 プレゼンが贈り物であるとすれば、話題の中心は自分がしたい話ではありません。相手が聞きたい話をしないと、贈り物にはなりません。相手が聞いてよかったと思う内容、喜んでもらえる内容でなくては、プレゼンテーションとは言えません。

 もともと、人前で話をするということは、聞く人の貴重な時間を戴くことでもあります。いただいた時間に感謝をし、一生懸命にベストを尽くしてお返しをする。これが基盤にないと、プレゼンテーションとは言えません。プレゼンテーションは自慢の場でもないし、何かを押し付ける場でもないのですから、……。

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プレゼン3要素


 プレゼンは、どの本を読んでも次の3要素が掲げられています。

@ 話す内容
A 話す人の人柄(ものの見方・考え方)
B 話す工夫


 @については、校長として子ども達に(公に)話す機会が増えてから、特に重要性を認識しました。時には、「全校朝礼は校長の話だけ」という日もありました。極寒の体育館に、私の話を聞くためだけに生徒は集まってくるのです。生徒はガタガタ震えながら聞くのです。これはプレッシャーでした。

 Aについては、私の体験を振り返ってみても、いつもやはり、ここに行き着きます。話す内容がいかに優れていても、日頃の私の「人となり」(人柄・人格・正確・教養・識見・……)が問われています。まして、子ども達は注目するしないにかかわらず、私の言動を日常的に見ています。逃げ隠れ、ごまかしはききません。

 言葉が相手の心に通じるかどうか、届くかどうか、……。これはひとえに私自身の「心ばせ」が問われます。発達障害の生徒と関わるとき、いつもそのことを意識させられました。心にも思っていないことを言葉で言っても、ちゃんと生徒は見抜いています。言葉に反応しているんではなくて、私の心に反応しているんです。

 @もAも、実に奥が深い。死ぬまで捉えることは出来ないと思います。せめて意識すること、心かげること、努力すること、……。これは大事にしていきたいと肝に銘じています。

 最後の3つ目のポイントが、B「話す工夫」です。この部分を「要約学習」で鍛えてもいます。ただし、学校教育の場ですから、機器に頼ることを前面に押し出すのは、それは筋違いだと認識しています。あくまでもシンプルな音声言語であるべきだと、私は考えています。

 基本的には、話す内容を図式にして、聞く人に立った話の構成を試行錯誤する。決定した図式を、脳裏にたたき込む。その脳裏の図式を頼りに、堂々とプレゼンする。 ……これが、要約学習で行ってきているポイントです。

              

 ちなみに、3原則には挙げられてはいませんが、日頃から大事にしたいと思っていることが、もう一つあります。それは、何としてもこの内容・思いを届けたいという「熱い気持ち」です。この伝えたいという熱意がベースにあってこそ、プレゼンテーションが成果を上げるのです。 

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蛇足





東日本大震災に関して


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23.3.18(金)

レインボーマラソン「シャトルラン」のあとで……

 皆さんも、テレビや新聞で知っているとおり、このたびは「千年に一度」と言うほどに未曾有、恐ろしく大きい地震と津波に見舞われました。しかも、今回は原子力発電所が爆発したり壊れたりして、放射能に襲われるという恐怖も味わっておられます。

 今朝の報道によると、亡くなった方と行方不明者を合わせて1万5千人と報じていました。でも、昼過ぎにインターネットを見ると、亡くなった方が6千5百人、行方不明者が1万人とのことです。想像を絶する人数です。その一人一人が、家族にとってはかけがえのない存在です、……。

 108人の小学校で、生存が確認できているのが24人、13人の先生のうち、生存が確認できているのはたった1人というニュースも流れています。

 家が壊れたり流されたりして、避難所に生活しておられる方が40万人を超えているとのことですが、道路や電気や水道はズタズタです。こういう学校の体育館などで、寒さと不安に耐えながら生活しておられると思いますが、本当に気の毒な状況です。

 テレビで見たのですが、瓦礫のなかで呆然と我が子を探しておられるお母さんの姿がありました。また、小学校高学年の男の子が、家族が一人も見つからないと、泣いている場面もありました、……。

 でも、こんな中、「略奪」(店からものを盗み出す)が無いということに、外国の新聞記者が驚いているそうです。避難所でも、自分のことばかり考えるのではなく、さっそく話し合って役割分担し、お互いが支え合う雰囲気が生まれているそうです。

 なかには、中学生もお手伝いしてがんばっているとのことでした。料理を作ったり、運んだり片づけたり、食器洗いをしたり、水くみに行ったり、お年寄りの介護をしたり、幼い子と遊んでやったり、……。こういう中学生の中には、家族を失ったり、家が流されたりしてる人もいることと思います。立派だと思います。

 生徒の皆さんに、「こんな災害をテレビで観てどう思う?」と聞いたところ、「テレビを見ながら、涙が止まりませんでした。」と答えた人がいました。「家族と一緒に泣きました。」という人もいました。優しい心を持っているんだなと思いました。

 ところで、せっかくそういう心を持っていても、何か行動を起こさないと、気持ちは届きません。われわれ大人は、お金を儲けているので「義捐金」という形で、とりあえずは気持ちを伝えることが出来ます。

 でも、生徒の皆さんはお金を儲けていません。何かそれに替わることが出来ないものかと思います。また、みんなで知恵を絞ってほしいと思います。

 私たちはこうやってぬくぬくと生活をしています。でも、東北地方では悲惨で苦しい日々を過ごしておられるということを、心のどこかにとどめて生活していきましょう。

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3年生に話したときには
それぞれが自宅生活ですので
組織的にまとまった活動が出来ません。
そこで
個人的に何か出来る例として
暖房を点けないで生活する。
テレビは全然見ない。
復興を祈りながら折り鶴を折る。
保護者と義捐金を届けにいく。

など話しました。









26.02.17(月) スピーチの心得(赤来中2年生;第7回)

以下の「プレゼン三要素」は
今年2月17日
赤来中で2年生を対象に行った
要約学習の教材の一つです。
直後に校内で全員が
一人一人プレゼンする機会があると聞き
スピーチに関する教材を4本
準備しました。
その中の一つです。










プレゼン三要素


図式













@ プレゼンテーション(略してプレゼン)とは、聞き手に対して情報を提供し、理解や納得を得る行為のことです。このプレゼンを効果的に行う三大要素は、誰が(人柄)、何を(内容)、どのように伝えるか(伝達技術)です。これら3つが合わさってこそ、すばらしいプレゼンテーションが生まれます。

A ここでは一つ目の「人柄」について説明します。アメリカの心理学者ズーニン氏は、「人の第一印象は、最初の4分で決まる。」と言っています。聞き手が初対面の場合、話し始めてから最初の4分間でどの程度相手との壁を取り除けるか、「好感」や「信頼」を得られるかが、大事なポイントです。

B シャイな人だな、生意気そうな人だな、正直そうな人だななど、聞き手は最初の4分間で話し手に対しての印象が決まります。むろん、人にいい印象を与える人柄は一朝一夕には出来ません。日頃から心がけ、日々人間的に成長するしかありません。 ※ 一朝一夕 =短い期間。

C そこで今、大事になるのが「どのような心構えでプレゼンを迎えようとしているか」です。嫌々ながらプレゼンに臨み、ぼそぼそと話し始めたら、聴衆は話し手に嫌みな印象を抱きます。聞く意欲を無くします。そうなると、心から聞いてはもらえません。

D 逆に、「自分が伝えようとしていることは、とても価値があることだ。全身全霊を傾けて伝えたい。」という熱い思いでプレゼンに臨むと、その熱意と誠意が自然と表情や態度になって表れるものです。その熱意が、プレゼンにおける人柄を作ると言っても過言ではありません。

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ついでに
もう一つ掲載します。











「あがり」のメカニズムと克服法


図式













@ なぜ人はあがるのでしょう。実は、「あがり」は脳が正常に働いている証拠でもあるのです。私たち人間の脳は生命維持のための安全機能を備えています。例えば危険を察知したとき私たちの体は、とっさに跳びよけます。これは脳の安全機能が、物理的な面から命を守ろうとしたのです。同様に脳は、精神面からも命を守ろうと働きます。

A アメリカの心理学者ウィル・シュッツは、人の自尊心には「好かれたい、理解されたい」という“自己好感”、「重要な存在として認められたい」という“自己重要感”、「有能であると評価されたい」という“自己有能感”の3つの欲求があると唱えました。大げさにいえば、私たち人間にとって自尊心とは精神面での生命そのものです。それが傷つけられるかもしれないと感じた瞬間、脳は「あがり」というアラームを鳴らすのです。
※ 自尊心 =自分の人格を大切にする気持ち。プライド。
B そもそも、生まれつき「あがり症」の人などいません。必ず過去のどこかで、自尊心が傷ついた体験があったはずです。小学校時代に朗読で失敗した、授業中に自分の発表を笑われたなど、自分でも忘れているようなことかもしれません。それでも人間は、常に過去の体験に基づいて未来を予測しています。「過去もこうだったから未来もこうだろう」と予測してしまうのです。

C 「あがり症」で悩んでいる人の多くは、とても真面目です。「うまく喋らなくてはならない」と自分を責めるあまり、「うまく喋れない」自分にいら立ちを覚えるのです。結果、喋ることが怖くなってしまっているのです。喋りは下手でもいいんです。人はペラペラと器用に話す人よりも、朴訥でも一生懸命に話す人に好意的です。「ぜひ伝えたい」という熱い思いを最優先して、心を込めてプレゼンに臨みましょう。

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以下は
先日(5/29)
紹介したプレゼン関係の文章です。
抜粋で再掲します。




心を動かすプレゼンテーション
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2014.5.29(木)








プレゼンテーションマッピング







伝えたいという気持ち







テクニックではありません