要約学習
赤来中2年生
平成25年度第7時間目
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2014.2.17(月)


 今年度の要約学習も、最終回を迎えました。翌日は、沖縄修学旅行を基にした「平和学習」発表会(プレゼン)とのことでしたので、文章(教材)はプレゼン(スピーチ)の心得を準備しました。

 教材は4本です。ただ、それでなくても少ない学級なのに欠席者が若干名あって、たった16名での授業となりました。


10分 導入……聞き取りテスト2本
15分 個人学習(各自、手渡された文章の図式を書く)
07分 2人ペア同士が、お互いの図式を頼りにプレゼンし合う。
     
=前半1分は図式メモを見ずにチャレンジ!
07分 同じ文章を図式化したもの同士が、図式を見せ合う。
     ⇒代表者1人を選ぶ。(出来れば見ずに再現できた人)
10分 代表者4人による全体プレゼン。

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 では、文章と図式とあわせて紹介します。

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導入の聴解力テストは
先日K小学校で行われた
3年生の教材
「人をつつむ形」から持ってきました。













         











プレゼン三要素


生徒作成の図式














@ プレゼンテーション(略してプレゼン)とは、聞き手に対して情報を提供し、理解や納得を得る行為のことです。このプレゼンを効果的に行う三大要素は、誰が(人柄)、何を(内容)、どのように伝えるか(伝達技術)です。これら3つが合わさってこそ、すばらしいプレゼンテーションが生まれます。

A ここでは一つ目の「人柄」について説明します。アメリカの心理学者ズーニン氏は、「人の第一印象は、最初の4分で決まる。」と言っています。聞き手が初対面の場合、話し始めてから最初の4分間でどの程度相手との壁を取り除けるか、「好感」や「信頼」を得られるかが、大事なポイントです。

B シャイな人だな、生意気そうな人だな、正直そうな人だななど、聞き手は最初の4分間で話し手に対しての印象が決まります。むろん、人にいい印象を与える人柄は一朝一夕には出来ません。日頃から心がけ、日々人間的に成長するしかありません。 ※ 一朝一夕 =短い期間。

C そこで今、大事になるのが「どのような心構えでプレゼンを迎えようとしているか」です。嫌々ながらプレゼンに臨み、ぼそぼそと話し始めたら、聴衆は話し手に嫌みな印象を抱きます。聞く意欲を無くします。そうなると、心から聞いてはもらえません。

D 逆に、「自分が伝えようとしていることは、とても価値があることだ。全身全霊を傾けて伝えたい。」という熱い思いでプレゼンに臨むと、その熱意と誠意が自然と表情や態度になって表れるものです。その熱意が、プレゼンにおける人柄を作ると言っても過言ではありません。

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指導者サンプル



























分かりやすく話す
(その1)


生徒作成の図式














@ 分かりやすく話すための留意点について、ここでは4点について述べます。

A 一つ目は、重要ポイントを強調するということです。ここぞという場面で、「ここが大事です……」と伝え、特に端的に印象深く話すのです。まるで先生が授業中に「はい、ここはテストに出るぞ!」と注意を喚起するやり方です。ぼんやりと聞いていた人も、一転して集中してくれます。

B 二つ目は、できるだけ具体化して話すということです。一般的な話や抽象的な話は、記憶に残りにくいものです。そこで、聞き手がイメージしやすかったり、記憶に残りやすかったりする工夫をします。例えば自分の体験談を語ってみたり、数字やデータを用いて説明したり、写真や実物を示したりするのです。

C 三つ目は、大きな声でゆっくり目に話すことです。声が聞き取りにくいと理解しにくいだけではなく、聞く気を無くします。練習の時から、口を大きく開けてはきはきと話すように心がけましょう。また、ゆっくり話すと、聞き手にいい印象を与えるとともに、お互いに心にゆとりが出来ます。アナウンサーのようなプロの話し手の場合でも、ベテランから受ける指導で一番多いのが「早口すぎる」という指摘です。それほど大事な心得です。

D 四つ目は、プレゼンテーションの途中で、相手の理解度を確かめたり、聞き手とのコミュニケーションを取ったりすることです。例えば、区切りの良いところで質問を投げかけたり、クイズ形式にして「Aだと思う方」「Bだと思う方」などと聞いて挙手してもらったりします。こうすることで、聞き手を話に引き込むことが出来ます。

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指導者サンプル


























分かりやすく話す
(その2)


生徒作成の図式















@ 分かりやすく話すための留意点について、ここでは4点について述べます。

A 一つ目は「結論から話す」ということです。話の結論を最後に持ってくると、聞き手は時には「けっきょく反対なのか、賛成なのか、……?」とイライラしながら聞くことがあります。その点、最初にずばっと「私の言いたいことは○○です。というのは……」とか、「私は消費税増税に賛成です。なぜ賛成なのかについて説明します。」とかいう話し方(話の構成)をすると、聞き手の理解はぐんと上がります。

B 二つ目は、「余計なことを話さない」ということです。余計なことを話してしまうと、本当に伝えたい重要な情報が、それほど大切でない情報に埋もれてしまいます。意外と多くの人がやってしまっています。「ちょっと話がそれるんですが……」と、本論と関係ない脱線した話をすると、強調したいことがぼけてしまいます。

C 三つ目は、「予告する」ということです。これから話すことはどんな内容かを、コンパクトに予告してあげると、聞き手の負担は大きく減ります。また、「ポイントは3つです。一つ目は、……」という話し方をすると、聞き手は内容を整理しながら聞けるので理解を助けます。

D 四つ目は、「一文を短くする」ということです。一文が長くなればなるほど話は分かりにくくなります。特に、「〜で、〜で、〜で」とか「〜が、〜が、〜が」などと、だらだら続けてしまうのは最悪です。そうではなくて、「〜です。(ちょっと間をあけて)そこで……」などと、短い文を重ねていく話し方の方が、ずっと理解しやすくなります。

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指導者サンプル


























「あがり」のメカニズムと克服法


生徒作成の図式













@ なぜ人はあがるのでしょう。実は、「あがり」は脳が正常に働いている証拠でもあるのです。私たち人間の脳は生命維持のための安全機能を備えています。例えば危険を察知したとき私たちの体は、とっさに跳びよけます。これは脳の安全機能が、物理的な面から命を守ろうとしたのです。同様に脳は、精神面からも命を守ろうと働きます。

A アメリカの心理学者ウィル・シュッツは、人の自尊心には「好かれたい、理解されたい」という“自己好感”、「重要な存在として認められたい」という“自己重要感”、「有能であると評価されたい」という“自己有能感”の3つの欲求があると唱えました。大げさにいえば、私たち人間にとって自尊心とは精神面での生命そのものです。それが傷つけられるかもしれないと感じた瞬間、脳は「あがり」というアラームを鳴らすのです。
※ 自尊心 =自分の人格を大切にする気持ち。プライド。
B そもそも、生まれつき「あがり症」の人などいません。必ず過去のどこかで、自尊心が傷ついた体験があったはずです。小学校時代に朗読で失敗した、授業中に自分の発表を笑われたなど、自分でも忘れているようなことかもしれません。それでも人間は、常に過去の体験に基づいて未来を予測しています。「過去もこうだったから未来もこうだろう」と予測してしまうのです。

C 「あがり症」で悩んでいる人の多くは、とても真面目です。「うまく喋らなくてはならない」と自分を責めるあまり、「うまく喋れない」自分にいら立ちを覚えるのです。結果、喋ることが怖くなってしまっているのです。喋りは下手でもいいんです。人はペラペラと器用に話す人よりも、朴訥でも一生懸命に話す人に好意的です。「ぜひ伝えたい」という熱い思いを最優先して、心を込めてプレゼンに臨みましょう。

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指導者サンプル




全体的に前向きに取り組んでくれました。
特に
2人組となっての
プレゼン(文章再現)に於いては
図式(メモ)を見ずに
教室全体的に
全力投球で頑張ってくれていました。

ただ
図式については
全体的に丁寧すぎ。
これについては
今後の大きな課題です。

なお
紹介した図式は4人に2人の率。
学力面で課題のある生徒の図式も
2人掲載しています。
努力・成長の跡が見られます。

翌日の平和学習発表会
どうか
一人一人が成功体験を得て
今後の自信につながってくれることを
祈って止みません。