引き続き、中学校「歴史」の教科書(東京書籍)を図式化します。
社会科の教科書を久しぶりに拝見して、写真やさし絵などの資料の多さに驚いたのですが、それ以上にビックリしたことがあります。それは、歴史の流れの記述がまさに新幹線、いや、リニアモーターカー。内容に血が通っていなくて、ほとんど要約の世界です。味も素っ気もありません。
社会科の先生は、おそらく他に自作資料などを準備して、事件の背景や醍醐味を伝えておられるんだと思います。今回取り上げた「荘園」ひとつとっても、「口分田」(班田収授法)⇒「三世一身法」⇒「墾田永年私財法」⇒「荘園」という大きなうねりのなかで、武士が力を伸ばしていったいきさつは、実に興味深いスポットの一つです。
ちなみに、池上 彰 氏は皮肉気味に、著書『伝える力2』のなか(P90)で、次のように書いておられます。
歴史の教科書は、先生が『ここに書いてあることは、こういう意味なんだよ』と説明して、生徒が初めて理解できる。それがよい教科書の条件になっているのです。