図式を基に
プレゼン・スピーチ
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目指すべき
スピーチの姿


 日常生活においてスピーチ(プレゼン)する場面があります。その際、次のように分類できます。

(1) 予め作文した文章を朗読する。
(2) 予め作文した文章を暗誦朗読する。
(3) 構想図(メモ)をときどき見ながら話す。
(4) 構想図を脳裏に思い浮かべながら話す。


(1) は、音読練習をするだけで事足ります。負担感はほとんどありません。しかし、話は目でも聞きます。 話す人が下を向いていることもあって、朗読を聞く方はよほど集中していないと内容が把握できません。

(2) は、暗誦することによって身に付く言語力など、利点もあります。話者と聴者が視線を合わせる環境 が生まれるので、内容が伝わりやすくなります。が、日常生活においては(事前準備に)時間がかかり すぎます。

(3) は、話し手の意識が自然と「内容」に集中しています。聴衆の反応を見ながら、臨機応変に対応でき ます。話者と聴者が内容を作り出していくという弾力も生まれます。

(4) は、(3)の延長線上にあります。これが、社会人に求められる姿でもあります。会議の時など分かり やすく端的に話したり、人とコミュニケーションを交わしたりするときの重要な基盤となります。

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 上の文章(背景青色)に書いた通りです。

 (1)と(2)は、基盤でつながっています。予め書かないとスピーチできない点で一緒です。これを脱皮して、(3)(4)の世界に足を踏み入れてほしいのです。

 (1)と(3)(4)は、全く別の世界です。(1)は文章を読みます。それに対して、(3)(4)は「メモ」を基にスピーチします。どちらが迫力があるかは、一目瞭然です。どちらが伝わりやすいかは、見ての通りです。

 ときどき見かけます。学校の授業において「書く時間」を設けて、それから話し合いに入るスタイルです。その場合の多くは、子ども達は書いた作文を朗読しています。「発表」には違いありませんが、これは「話し合い」にはつながりません。「言い合い」でしかありません。心から心へと伝わらないからです。

 発表する人は、まわりの人に視線を送りながら、目と目でコミュニケーションをするから、「話し合い」の雰囲気が醸成されるのです。

 「書く時間」を設ける授業は、「書いて捨てる」方法をとればいいと思います。書いた時点で、人に影響されずに自分の考えをまとめることが出来たわけです。それで目的は達成しています。作文は机の中にしまって、(書いた通り話さなくていいので)内容を脳裏に描きながら、たどたどしくてもいいから語ります。

 少し話の内容が、横道にずれたようです。

 私は特に校長時代、生徒に「人前で話すときには、作文を朗読しないで、せめてメモを見ながら話すようにしよう。出来れば、手ぶらで話すスタイルにチャレンジしよう。」と呼びかけていました。ですから、ことあるごとにその刃は自分に向けられてきました。

 時には大事なことを言い忘れることも、何度となくありました。でも、子ども達の前に立って(むろん大人が対象の場合も)、フェイス・トゥー・フェイスで堂々と話せたときの達成感、満足感は、最高の喜びでした。

 むろん、今でも私は発展途上にあります。授業をするからには、生徒よりも前を歩みたい、歩まなくてはならないと、自分に言い聞かせています。

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