結婚披露宴
新郎側

親族代表スピーチ

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2014.5.25(日)


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 上の図式は、5月22日(木)に描きました。2日後に行われる「甥の結婚式」の準備です。

 図式は書きましたが、予め作文などは書きません。それに囚われるからです。あくまでも「話す内容」と「構成」がポイントです。それを事前に脳裏にたたき込んでおけば、本番では雰囲気や聞く方々の様子に応じて臨機応変にスピーチが可能になります。

 話す内容については、事前に本人と両親から取材しています。内容の取捨選択は、この日に行いました。

 実際のスピーチについては、終わってから思い出しながら、以下に作文することにします。

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以下は
翌日
思い出しながら書いたので
微妙に言い回しなどは
本番とは
違っていると思います。






決まり文句


 Mさん、Rくん、ご結婚誠におめでとうございます。ご家族の皆さんにも、心からお祝い申し上げます。

 私はRくんの叔父です。私から見ると、Rくんは弟の次男に当たります。この度はご指名によりまして、親族を代表して、僭越ですが祝辞を述べさせていただきます。

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二人の出会い


 Rくんにこんな素敵な女性がいるとは、昨年暮れまで知りませんでした。突然、結婚するからと伝えられ、びくりするやら嬉しいやら、……。いろいろとRくんに話を聞きました。

 二人の出会いは6年前です。Mさんは英会話教材を扱う会社に勤めていました。そこへ、後から入社したのがRくんです。年齢はRくんが3歳年上ですが、Mさんが上司、Rくんは手下、……いや部下という関係になりました。

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彼女の印象


 そのときの第一印象を聞くと、「かわいい人だなぁ〜」と思ったそうです。世に言う「一目惚れ」、……です。

 そのうち、仕事ぶりを見ていると、しっかりしているなぁ、まじめだなぁと、尊敬もするようになりました。もっとも、しっかりしている反面、突然おっちょこちょいだったりして、純真な人だなと、ますます惹かれるようになっていきました。

 つまり、一目惚れが、いつしか片思いに発展していったということです。

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その後
(^^)


 その後のことですが、なにせ一方的に好意を持っただけです。まさかつきあえるなんて思ってもいませんでした。

 ある時、仕事のことで指示を受けたとき、思い切って声をかけたそうです。「ぼくとドライブに行ってくれませんか?」。そして、Mさんから返ってきた言葉は、……
(^^)「いいですよ。」

 話を聞きながら、このときの、Rくんの嬉しい気持ちが伝わってきました。

 ドライブで出かけた行き先を聞くと、Mくんもかわいい顔をして抜かりありません。どこへドライブに行ったかというと、……それは縁結びの神様、出雲大社だそうです。いや、案外、このときから二人は「結婚」ということを意識していたのかも知れません。

 この後、二人は付き合いが始まったわけですが、なかなか「結婚」までは踏み出すことが出来ない日が続いていました。

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転機が訪れる!


 ところが、去年、たいへんな出来事が起こりました。「禍福はあざなえる縄のごとし」とか「人間万事塞翁が馬」という故事がありますが、何が幸いするかは分かりません。

 去年8月23日のことです。出勤する途中で、Rくんは生死に関わる交通事故に遭いました。首の骨を折ったり、肺に穴が開いたりして、意識不明のまま救急車で病院へ運ばれたのです。

 そこは、お医者さんに命を救われたというか、神様に守ってもらったというか、生命力が強かったからか、お医者さんもビックリするほどの回復力だったそうです。

 思いがけず3ヶ月で退院できましたが、私はもっと大きな力が働いたおかげだと思っています。実は、入院していた3ヶ月間、毎日のように見舞いに来てくれた人がいます。

 それがMさんです。Rくんの気持ちは固まりました。大きく一歩を踏み出し、そして、きょうの結婚式を迎えることが出来たというわけです。

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私の見舞いは?


 ちなみに、蛇足ですが私も見舞いに行きました。ベッドの中で苦しんでいるときの見舞いは、お互いに辛いものがあります。恢復に向かったと聞いた一ヶ月後、見舞いに出かけました。

 しかし、恢復に向かっているとはいえ、見舞いは足が重くなるものです。どんな言葉をかけようかな? などと、迷いながら病室に向かいました。

 病室に入ると、首を固定する器具を付けたMくんは、ベッドに座っていました。 ……マンガを読んでいました。

 見舞いに行くことは知らせていなかったので、大きい目をまん丸にしてビックリしたり、喜んだりしてくれました。その瞳の澄んでいたこと、ほんとうにキラキラと輝いていました。

 目は心の窓と言います。小さいときから、Rくんの目はきれいだなと思っていましたが、本当に美しい瞳だと惚れ惚れしながら会話を交わしました。 ……あとから、じっくりと見学してください。

 30分ぐらいだったと思いますが、目の輝きのようにキラキラと、いろんな話をしてくれました。何だか見舞いに行ったんだか、元気をもらいにいったんだか、訳が分からなくなりました。

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漁師の体験


リハーサルと比べて本番は
意外と時間がかかるものです。
話ながら
きゅうきょ
この内容は削除しました。








今の仕事


 そんなRくんですが、今は介護士の資格を取って、介護の仕事をしています。夜勤があってたいへんなこともありますが、お爺さん、お婆さんのお世話をすることや、喜んでもらえることが、とてもやり甲斐があるそうです。まさにRくんにとっては天職です。

 これは、Rくんのお母さんから聞いた話です。Rくんは小さい頃から学校から帰る途中で野の花を摘んで、よくプレゼントしてくれたそうです。また、肩が凝ったら、肩たたきをしたりマッサージをしたりしてくれたそうです。高校時代まで続いたとのことですから、これはすごいなと思います。
 
 また、小さい頃からお年寄りに声をかけることが多くて、お爺さんお婆さんたちから好かれるタイプだったそうです。 ……今回は、Mさんにも好かれて、よかったなぁ〜と思います。

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はなむけの言葉


 こういう優しい心の持ち主の二人ですから、はなむけの言葉は必要ないかも知れません。が、私の大事にしている言葉の一つを送ろうと思います。

 それは、「恕」ということばです。「恕」という漢字は「怒る」という漢字によく似ていますが、意味はぜんぜん違います。「女」という字の右横に「口」という字を書いて、下に「心」を書いて「ジョ」と読みます。

 子貢という弟子が、孔子という先生に聞いたそうです。「人が生きていく上で大事なことはいろいろとあると思いますが、一つだけに絞るとしたら、どんなことでしょうか?」。すると、孔子が答えました。それは「恕」だよ。自分が人からしてほしくないと思ったことは、決して言ったりしたりしてはいけません。


子貢問いて曰く、「一言にして以て終身これを行なうべきものあるか。」と。子曰わく、「其れ恕か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。」と。

子貢問曰、有一言而可以終身行之者乎、子曰、其恕乎、己所不欲、勿施於人也。

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 とりわけMくんには、これからの人生、いろんなことがあると思いますが、いつでもどこでも、Mさんの立場に立って物事を考え、Mさんの気持ちを大事にして行動を決めていってほしいと思います。

 そうすることによって、明るく楽しい家庭を築くとともに、豊かで充実した人生を歩んでいってください。

 本日は、本当におめでとうございます

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スピーチは
最終的に大事なのは
テクニックではありません。
ハートと内容です。

今回の私の祝辞も
一番大事にしたのは
誰のために
何のために
自分は皆さんの時間をいただくのか?
という役割です。

事前に図式を書いて
これを念頭に
数回
リハーサルをして場に臨んだ上に
役作りを大事にしたので
緊張感は全くありませんでした。

本人と家族に喜んでもらえたことと
笑いやどよめきが数回あったので
自己評価は70点〜80点か?

披露宴の途中で
友人代表が4名
スピーチしました。

どれも友人代表にふさわしい
愛に溢れる
心温まる内容でした。
ただ残念だったのは
4人とも
紙を出して朗読したこと。

要約学習では
このスタイルの脱皮を目指しています。

実際
披露宴の途中で
スピーチをした男性2人がやってきて
原稿なしでスピーチがしたかった。
と語りました。
本人たちも
そういうスタイルを望んでいるのです。

むろん
披露宴の席でもあり
お互いに酔っていたので
要約学習や図式の話はしませんでした。
年の功ということにして
話を終えました。

この度の出来事を通して
何としても
要約学習を通して
一人でも多く
作文朗読をしないスピーチが
堂々と出来る生徒を
育てたいと
さらに心に誓ったことです。