STAP細胞は存在するか?
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2014.5.11(日)


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そこが問題
STAP細胞はあるのか?


 1月31日、テレビ報道を通して発表された「STAP細胞」。iPS細胞と比べて、安価で短時間で簡単に作製できる。ガン化の心配もないとのことで私も大いに注目し、新聞記事を丁寧に読んだり、インターネットで調べたりしました。

 ところが、まもなく転がるように雲行きが怪しくなりました。小保方さんはタレント並みの報道でしたが、一気に被告人扱いとなりました。

 不正疑惑の指摘を受けて調査をしていた「理化学研究所の調査委員会」は、4月1日、STAP細胞論文に研究不正があったと認定しました。

 これに対して小保方晴子氏は不服申し立てをしました。が、先日5月7日、再調査に値する資料の提出がなかったとして、「再調査の必要はない」と理研理事会で説明しました。

 理研は近く理事会を開き、小保方氏に研究不正があったとする最終報告書が確定するとのこと。これを受けて、理研は懲戒委員会で小保方氏ら関係者の処分を決めるそうです。

 ご周知のように、ざっとこういう流れですが、利害関係のない、素人の私は単純に思います。

 ねつ造や改ざん、コピペについては、どうやら(認めてはいませんが)小保方氏の方が分が悪いようです。素人目に観ても、報道内容の行為は、研究者として許されることではありません。

 しかしながら、私は思います。小保方氏は「STAP細胞はあります!」と明言しています。だったら、小保方氏はその証拠を、今度こそ正真正銘、どうだ! と見せたらいいと思います。追及側も、時間と猶予を与えて小保方氏に、目の前で造らせてみたらどうでしょうか?

 もしSTAP細胞が作製できたら、人類の幸せ(医療の進歩発展)にとって、すごいことではないですか! 国民目線で関心があるのは、不正疑惑ではなく、STAP細胞があるのかないのかという核心問題です。

 また、もしSTAP細胞が出来なかったら、小保方氏はきちんと自分の非を認め、反省するとともに処分を全身で受け止めるべきです。

 同時に、なぜこういうことになったか? 個人追及に終わらず、周辺環境や周辺人物の責任もしっかり洗い出してほしいと思います。

 私は不正追及にエネルギーをつぎ込んでいる関係者に、少し冷静になってもらえないかと願ってやみません。

 なお、この「STAP細胞」の状況については、5月7日の赤来中学校3年生 「要約学習」教材の一つに持ち出しました。以下に、紹介します。

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STAP細胞

 刺激惹起性多能性獲得細胞(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells)は、動物の体細胞に外的刺激(ストレス)を与えて分化多能性を獲得させた細胞。今年(2014年)1月、「ネイチャー」(イギリスの総合学術雑誌)に発表されました。

 小保方晴子氏(理化学研究所)らが、チャールズ・バカンティ(ハーバード大学)や若山照彦(山梨大学)と共同で発見したとのこと。得られた細胞を「STAP細胞」と名付けるとともに、STAP細胞に増殖能を持たせたものを「STAP幹細胞」と呼び、医療への応用が報じられました。

 従来、動物の体細胞が外的刺激で万能細胞になることはありえないとされており、生命科学の常識を覆す発見とされました。しかし、その論文に画像データの切り貼りを始めとして、複数の不正疑惑や問題点が指摘され、その事実が疑われています。

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STAP細胞


生徒作成の図式












本文(教材)

@ 体のどんな部分にもなる新しい万能細胞として、STAP細胞を作ることに小保方晴子さんたちのチーム(理化学研究所)が成功。2014年1月30日に報道発表がなされ、世界中を驚かせました。

A マウスの体の細胞を、弱い酸性の液体に30分つけるだけで万能細胞になるとのこと。あまりに簡単に出来るので、世界中の研究者が驚きました。これが人間の細胞でも成功すれば、けがや病気で悪くなった内臓などを人工的につくって治す、未来の治療につながると期待されています。小保方さんは、「病気の箇所の内臓をつくって移植出来るだけではなく、夢の若返りが実現するかも知れません。」とピーアールしました。

B ところが発表後、インターネットなどで、この論文は画像などに不自然な点があるとの指摘が相次ぎました。論文にコピペ(盗用)があることも判明しました。さらには、論文発表後、国内外の研究者でSTAP細胞の作製に誰一人成功しないことも問題になってきました。これを受け、理化学研究所とネイチャー誌は、それぞれ2月中旬に調査を開始しました。

C 調査委員会の最終報告(2014年4月1日)によると、小保方晴子ユニットリーダーの研究は2点で問題があると認定。一つは、別の実験画像を切り張りした「改ざん」。もう一つは、小保方さんの学生時代の博士論文と酷似した実験画像を使った「捏造」と発表しました。ただ、STAP細胞が存在するのかどうかについては、今後継続して研究するとのことです。

D 現在、国民のいちばんの関心事は、改ざんや捏造の話ではなく、本当にSTAP細胞は存在するのかどうか、ということです。存在を信じ、今後の研究成果を見守りたいものです。

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※ コピペ =コピーアンドペースト。他人の文章(論文など)を丸写しすること。
※ 改ざん =文書やデータを勝手に書き換えること。      
※ ねつ造 =実際にはないことを事実のように仕立て上げること。













指導者サンプル









3人グループで話し合って絞り込んだ
キーワード5個
及び
それを基に書いた要約文です。






2014.5.11
新聞の社説「STAP細胞問題;真相究明を!」


上記のコメントを書いた(完成)のは
5月9日です。
その2日後(5月11日)
山陰中央新報の社説「論説」で
STAP細胞問題が取り上げられました。

これを読んで
さすがプロの新聞記者(ライター)と
感心させられました。

STAP細胞問題の経緯の解説
問題点の整理の仕方
論評ともに
実にスッキリと書かれています。

自分自身が2日前に書いた
コメントが
いかに稚拙かを思い知らされました、……。