@ ブタの腎臓を人に移植する国内初の「異種移植」の治験(=実際に人に実施して有効性を確かめる)が日本で始まりました。移植に当たっては、拒絶反応(=体の中に「自分ではないもの」が入ってきたときに、体がそれを追い出そうとする仕組み)が起きにくいよう遺伝子を改変(=形を変える)したブタの腎臓を「腎不全」の患者に移植します。研究が進んでいるアメリカでは、この技術を用いた移植により、人工透析(=機械を使って血液をきれいにする治療)が不要な状態を9カ月間維持したと報告されています。
A アメリカの移植では、腎臓は移植後すぐに尿を作り始め9カ月間、透析を受けずに生活できたと報告されています。これにより、「ブタの臓器が人間の体内で機能する」ことが実証され、大きな前進と評価されています。国内においては今年、2つの病院で初めての実施が予定されています。なぜ「ブタの異種移植」が注目されているのかというと、腎移植を待つ患者が多く、提供臓器が不足しているからです。ブタの腎臓が実用化されれば、手術待ち期間の大幅な短縮が期待できます。
B なお、現状では「人工透析」で生命を維持できるため、万一移植した腎臓が機能しなくなっても、すぐに透析に戻ることが出来ます。そういう点では臨床試験を進めやすいと言えます。いちばんの課題は、異種移植された腎臓が長期間(数年単位)機能するかどうかです。今後の研究が待たれます。