@ 東京の日本橋に、頸椎損傷やALS(筋萎縮性側索硬化症)などが理由で外出困難な人たちが働いているカフェがあります。彼らは自宅にいながら店のロボットを遠隔操作し、サービスの案内や飲み物の給仕などの業務を行っています。分身ロボット「OriHime」を通してお客と交流しています。そのカフェの名は、「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」。2021年に常設店としてオープンし、グッドデザイン賞で大賞を受賞するなど、各方面から様々な期待と評価を集めている店です。
A このカフェは「寝たきりでも働ける実験店」として営業を開始し、連日たくさんのお客で賑わっています。外出困難者が抱える孤独を解消するには、誰かに喜ばれる経験が必要です。厨房のスタッフから飲み物を受け取り、お客様のテーブルに運ぶのは分身ロボット「OriHime」です。研究を続ける中で、寝たきりの人たちが求めていたのは単にコミュニケーションを取ること以上に、「自分は誰かに必要とされていると感じられること」だということ、つまり働くことだと教わりました。
B 人は誰しも老いていきます。いつかは寝たきりになる日が訪れます。ですから「OriHime」は「寝たきりの先輩」です。“障碍者”ではなく“人生の先輩”です。寝たきりのその先の生きがい「誰かの役に立って感謝される」仕事を創造していくことが今、高齢化社会で求められているのです。