@ 海洋研究開発機構が今年2月2日、南鳥島(東京都小笠原村)近海の水深約5,600メートルの深海底から、レアアースを含む泥の採取に成功したと発表しました。レアアースは、スマートフォン・EV(電気自動車)・風力発電機などのハイテク製品に不可欠な物質で、スカンジウム・イットリウムなど、計17種類の元素のことです。抽出(=取り出す)や精製(=純物質にする)が極めて難しいため、「稀な土(Rare Earth)」と呼ばれています。
A レアアースは生産量が少なく、少量で磁石などの性能を大幅に向上させるなど価値が高いので、「産業のビタミン」と呼ばれています。現在は供給量の約9割を中国が占めており、輸出してもらえないと、経済活動に大きな影響が出ます。そこで日本は輸入依存を減らすため、南鳥島沖の深海底に眠る大量の「レアアース泥(どろ)」の回収・国産化に向けた試験掘削を進めているのです。
B 採取したのは南鳥島から南東に約150キロの地点で、地球深部探査船「ちきゅう」から海底にパイプをつなぎ合わせて伸ばし、1月30日に採掘を始めました。この海域には、多種類・大量のレアアースの存在が確認されています。そこで、採算性が取れるかどうか(=儲けがあるかどうか)を確認するために、2027年から本格的な採掘試験を始め、レアアースの抽出・精製までを試みる予定です。