@ 北川進教授(京都大学)は、「金属有機構造体(MOF)」の開発における功績により、2025年のノーベル化学賞を受賞しました。リチャード教授(オーストラリア)、オマー教授(アメリカ)との共同受賞です。受賞対象となった研究内容は「MOFの開発」ですが、MOFとは「新しいタイプの多孔性材料(非常に小さな穴が無数にある物質)」のことです。北川教授は、MOFが気体を吸着(=取り込む)・放出(=外に出す)できることを世界で初めて証明しました。
A MOFは、1997年に発見された「金属イオンと有機分子をジャングルジムのような立体構造に組み立てた」画期的な物質です。気体などを閉じ込める物質としては、現在では「活性炭」や「ゼオライト」が知られています。しかし、MOFはこれらに比べて、穴の大きさや形を分子レベルで自在に変えることができます。自由にに構造を変化させることも可能です。
B MOFが実用化されれば、天然ガスや水素の貯蔵、二酸化炭素の回収(=温暖化の予防)、毒ガスの除去などが可能になります。砂漠の乾燥した空気から、水蒸気を回収して水に変えることもできます。MOFは革新的技術として高く評価され、さまざまな分野で応用が期待される「未来素材」として、実用化に向けたプロジェクトが今、世界中で進んでいます。