@ 日本には冬眠をしないクマはいません。冬眠のきっかけは、寒さや雪ではなくて、餌がないことです。冬を迎えても人里に出ているクマは、まだ餌があるからなかなか冬眠しないんです。クマは11下旬から翌年の4月ごろまで、およそ4〜5ヶ月間冬眠します。去年は、クマの餌となるドングリなどが凶作(=少ない)の年でした。ですから、山の中で暮らしているクマはそもそも餌が少なかったから、例年よりも冬眠に入るのが早い傾向にありました。一方で問題なのが、人里に降りてきたクマたちです残飯や柿の木など豊富な餌を見つけてしまったクマは、冬眠が遅れました。
A 一方で、去年は母グマの駆除(殺処分)が相次いだため、子グマが冬眠のやり方を教わる機会を失ってしまったケースも多かったようです。どこで冬眠すればいいかわからず、人里でウロウロしている子グマも少なからずいたとされています。
B ところで、体温を高いまま維持して冬眠するのはクマだけです。冬眠中のクマは「省エネモード」で筋肉がほぼ衰えないことが分かっています。科学誌「ネイチャー」に載った研究結果によると、冬眠期間を130日として調べたところ、クマの筋肉量は2割しか減っていませんでした。一方、人間は食べなかったら(130日間で)7割も筋肉が減ってしまいます。クマのこの身体の仕組みを解明できれば、「筋肉の衰えを止める薬」ができる可能性が十分にあります。