行政が紡ぐ「赤い糸」(縁結び)として、愛媛県の「えひめ結婚支援センター」による婚活事業が評判になっています。人工知能(AI)と蓄積された利用者のデータを使い、相手を幅広く選べるシステムを導入し、結婚が成立した組み合わせは、一年間で約900組にも上っています。婚活事業に取り組む団体などの視察が相次ぎ、このシステムを導入した自治体がどんどん増えています。
A えひめ結婚支援センターは、愛媛県が未婚・晩婚化対策として平成20年(2008年)に設立し、県法人会連合会に運営を委託。2015年3月からは、AIと利用者の婚活(=過去の婚活の経験や出来事)を記録した「ビッグデータ(=たくさんの記録)」を活用。利用者が好みの相手を検索すると、同じ相手を選んだ別の利用者とグループ化され、AIがそれぞれの婚活履歴を解析し、「好みに近い」相手を選択肢として提示してくれます。
B 行政(県)の紹介という安心感に加え、システム導入により、お見合いを申し込んだ際に承諾(OK)される確率が激増しています。事務局長の岩丸さんは「時代とともに人の出会い方も変わってきています。AIは、お見合い話を持ち掛ける昔の『おせっかいおばさん』の現代版です。」と話しています。「今までにない新しい出会いがある」と利用者の手応えを感じる一方、担当者は「服装やデートの計画、駆け引きや告白の後押しまで、さまざまな相談に応えたい。」と意気込んでいます。