@ 日本全体の農業従事者は2015年には176万人でしたが、2023年には116万人まで減少(約35%も減少)しています。平均年齢も70歳を超え、高齢化が深刻な課題となっています。それを補ってきているのが「外国人技能実習生」です。農業に従事している外国人は、5万人を超えました。
A 全国一のメロンの産地、茨城県の鉾田市(ほこたし)では、農業従事者の実に5人に1人が外国人。そのほとんどが、一時的に日本の農家で働く「外国人技能実習生」です。当初、「実習生」はメロン農家の人手不足を補ってくれるはずでした。ところが、ここ20年でメロン農家は半分以下になり、メロンの生産量は激減しています。実習生を雇うようになったことで、メロン栽培からほうれん草やレタスなどの葉物野菜に変えたからです。
B その理由は、「外国人技能実習生」の制度にあります。農家は実習生と年間を通して雇用契約を結び、毎月給料を払わなければならない仕組みです。ところが、メロン栽培で収入があるのは年2回の収穫期のみ。その他の時期には仕事が少なく、ほとんど収入もありません。農家にとって、収入がない時期にも実習生に給料を払うのは大きな負担です。一方、葉物野菜の場合は、時期をずらして種をまくことで1年を通して収穫ができ収入があるため、毎月、実習生に給料を払えるからです。こうした理由で鉾田市の農業は大きく変わってきたのです。