@ 田んぼに水を溜めるという大発明によって、日本ではお米を安定的に栽培できるようになりました。日本の不利な土壌や気候問題を解決した、優れた人工栽培装置ともいえます。稲が育つ土は、作土層(さくどそう)と言って、養分や有機物を含んでいます。作土層は、一枚の田んぼの中で養分が均一でなければなりません。育ち具合にばらつきができて、収穫期にばらつきが出るからです。
A 作土層の下は、鋤床層(すきどこそう)と言って人や機械を支える働きをします。水田をつくるときは、まずこの層を固くします。水を漏らさず、しかし全然漏らないのも困るため、微妙な固さにする必要があります。また、畦(あぜ)は田んぼに水を溜めるための壁です。畦塗りで防水加工をします。畦は苗や肥料、収穫した稲を運ぶ通路でもありす。
B ところで、稲はもともと熱帯の作物で、日本の土壌はお米を育てるのに向いていたわけではありませんでした。しかし、田んぼに水を溜めるという大発明によって、すべてを解決したのです。日本列島のような温帯で安定的に栽培できるようになったのも、この大発明のおかげです。水を溜めることにより、山から流れ出た水に含まれている「(窒素やリン酸など)天然の肥料」を利用できます。また、水を溜めることによって「連作障害」がなくなり、同じ作物を毎年栽培し続けられます。