@ 長野県白馬村のあるスキー場は、約70年の歴史があります。最盛期には利用客が年間40万人余りに上りましたが、2000年以降はスキー人口の減少とともに減りました。若者のスキー離れや暖冬の影響で、スキー場の多くが経営難に陥っています。こういう現状を打開しようと、白馬村スキー場は「夏場の営業」に力を入れました。利用客数の回復のため、運営会社が8年前から始めたのが「グリーンシーズン(夏場の営業)」です。
A 2023年には高さ10メートルの巨大ブランコを設置しました。スリル満点の巨大ブランコは、絶景を楽しむことができるブランコです。人気アニメをほうふつとさせ、大人にも大人気となっています。また、斜面を勢いよく駆けおりる「マウンテンカート」も人気スポットの一つです。2022年には乗馬体験も始めました。このような斬新な取組みによって、去年は夏場の客数が冬場の客数を逆転するまでになりました。そして、2023年は夏・冬あわせた来場者数が約36万9000人に上り、2000年以降で最多となりました。
B 夏場のスキー場の活用事例は、他にもあります。群馬県沼田市のスキー場では約5万株のラベンダーを植えて人気の写真スポットになっています。また、鳥取県若桜町のスキー場では、夏に育てるのは難しいとされているイチゴを栽培し人気スポットとなっています。