@ トンボの「複眼」を虫眼鏡で見ると、ハチの巣のような六角形の目が集まっています。この小さな目を「個眼」といいます。その数は、実に2万個と言われています。レンズの部分では一つ一つ違う映像ですが、脳では全体をまとめて一つの大きな映像として映し出されています。後ろの一部が少しだけ見えないだけで、上下左右前後ほぼすべて見えています。
A トンボは太陽を目印に飛行しおり、上部の「個眼」は常に太陽を捉えています。下部の「個眼」は餌(昆虫)を探していて、40メートル先で動いた昆虫も見逃さない千里眼(遠くまで見える目)の持ち主です。
B 「アキアカネ」(=赤トンボ)は田んぼに水が入ると、卵から幼虫の「ヤゴ」が産まれます。ヤゴは水中で成長し、稲が大きく育った夏の初めの早朝、稲の茎につかまって羽化してトンボになります。トンボになると、夏の暑い間は暑さを避けて山の上で過ごします。そして、秋に稲穂がたれる頃、田んぼに戻ってきて産卵します。戻って来た頃はオレンジ色で、秋が深まるとともに赤くなり、「赤トンボ」になります。トンボは、田んぼの一年に合わせてうまく生活している生き物です。