@ 人間とは実に不思議なもので、命が危ない場面など緊急事態の状況に置かれると、普段では到底考えられないようなパワーを発揮することができます。これが「火事場の馬鹿力」です。火事や地震などの災害時に、寝たきりの人が自力で逃げたとか、普段ではとても持ち上がらない重い金庫を一人で持ち上げたとかの事例が、たくさん報告されています。
A 私たちの身体には、たくさんの筋肉や骨が存在します。これらのパワーを100%発揮した状態で体を動かし続けると、体がボロボロになってしまいます。そのため、筋肉や骨が壊れれるのを防ぐために、人間の脳にはあらかじめ安全装置があって、発揮できるパワーに制限が設けられています。最大発揮しても全力の70〜80%程度という研究結果があります。
B ところが、緊急事態の場面に遭遇すると脳の安全装置が解除され、アドレナリンがどどっと大放出します。限界を超えて、100%のパワーが発揮されるようになります。スポーツ科学の分野で、科学的に証明されるとともに、一流選手の多くが実践しています。脳の安全装置を意識的に外すためには大きな声を出したり、心の中で「自分はできる!」と自己暗示をかけたりすると効果的だとされています。皆さんも、スポーツの大会や受験などの時に大いに活用しましょう。