@ 7月3日、20年ぶりとなる新札が発行されます。新札を発行する最大の目的は、偽造防止の強化です。新札発行から時間が経過するにつれて市販の印刷機の性能が上がるなど、偽造されやすくなります。そこで今回の新札には、肖像が三次元に見えて回転する「ホログラム」などの最先端技術が盛り込まれています。一方た、新札発行の目的には「ユニバーサルデザイン」の導入があります。指で触って券種を識別できる工夫や、数字を大きくしてどのお札か識別しやすくなっています。
A 新型コロナウイルス問題が広がった際に、感染リスクを下げるために現金利用を控える人が増え、日本では遅れていたキャッシュレス化が進んだと言われています。今回の新札発行によって、自動販売機・ATM・セルフレジなどで新札対応が求められます。しかし、この機会に現金でなく「キャッシュレスのみに対応する機種」に入れ替える業者も出る、「キャッシュレス化を後押しする効果」があるとの指摘もあります。しかし実際には、その効果は大きくないだろうと予想されています。
B キャッシュレス化が大きく進むのは新札発行ではなく、日本銀行が「中銀デジタル通貨(CBDC)」を発行することがきっかけとなると思われます。信用力が高いデジタル通貨をスマホ決済などで利用できるようになれば、人々のキャッシュレス化は一気に進み、日本での現金利用は大きく減少するとみられています。そういう意味で、今回の新札は、日本最後の紙幣になるかもしれません。