@ カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、客から暴行・脅迫・暴言・不当な要求といった、著しい迷惑行為のことです。「顧客+嫌がらせ」を組み合わせた用語です。最近、従業員が心身に不調をきたすなどの現状をマスコミが取り上げるようになっています。自治労(全日本自治団体労働)が1万4千人に行った調査では、住民から迷惑行為や悪質なクレームといったカスハラを受けた人は46%、カスハラを目撃したケースを含めると76%に達している実態が浮き彫りになりました。
A カスハラと似たものに、「クレーム」があります。一般的にクレームとは、顧客からの苦情や改善要求を指します。正当なクレームへの対応は企業の改善や成長につながるため、クレームにはその内容に応じて適切に対応するのが原則です。ただ、クレームの中でも企業や従業員に対して「行き過ぎたクレーム」も存在します。これが、カスハラに該当すると考えられています。つまり、クレームは「正当クレーム」と「不当クレーム」に区分でき、このうち「不当クレーム」がカスハラに該当します。
B カスハラは、どの企業にとっても他人事ではありません。カスハラの被害に遭った場合に備え、企業はあらかじめ対応基準を検討し、社員同士が共有しておく必要があります。カスハラの被害から従業員を守ることは、企業にとっての責務でもあるからです。