@ 1970年の大阪万博では、「未来」を感じさせるような技術が披露され、後に社会で普及しました。電気通信館では、携帯電話の原型となった「ワイヤレステレホン」が展示され、話題を集めました。その他、会場内では「動く歩道」や電気自動車「エキスポタクシー」、モノレールなどが来場者を驚かせました。このとき話題を呼んだ技術の一つに「人間洗濯機」があります。
A そのときの人間洗濯機は卵形の浴槽にモデルが入ると、自動で給水を始め体を洗い始めます。超音波を使っているので、こすらなくても体の汚れが落ちるという“魔法のお風呂」でした。しかし当時の技術では、人間の毛穴に入り込むほどの小さな泡を人工的に作れませんでした。やむなく浴槽に凹凸のあるマッサージボールを入れて、物理的に汚れを落とす方法で代用しました。
B 今回の人間洗濯機は「ウルトラファインバブル」と呼ばれる、0.001ミリの泡を発生させ、毛穴に入り込んで汚れや臭いを取り除くという画期的な人間洗濯機です。この「ミライ人間洗濯機」は体を自動洗浄するだけでなく、温度・湿度・照明など調整し、「心も洗う(心身が癒される)」という優れものです。ストレスのい具合をAIが判断して、入浴している人の気分にあった映像と音楽を流してくれる機能が盛り込まれているのです。今後は、介護の現場で大きな負担となっている入浴をサポートするという「社会的な貢献」も視野に入れて、最後の研究に力が入っています。