@ 月をよく観察すると、暗いシミのような部分が見えます。日本では、ウサギがモチつきをしているように見える、と昔から言われてきました。この暗い部分は、月を覆う地殻(月の一番上の地面)が特に薄い部分です。もし月に水があったら、海の底になっている場所です。
A 不思議ですね、月はいつも表側を地球に向けています。そのため、私たちは月の裏側を見ることはできません。月の裏側は、表側とは様子がぜんぜん違います。月の裏側は海の底になるような地殻の薄い部分がほとんどなく、表側にくらべると全体的に地殻が厚くなっています。どうして月の裏側は、月の表側より地殻が厚いのでしょうか?
B 大昔、生まれてまもない地球に大きな天体がぶつかりました。ぶつかったときに地球や天体の破片が宇宙に飛び散り、それらが集まって月ができたとされています。このとき地球は、火の玉のようにとても熱くなっていました。月も生まれたての時はとても熱くて、岩石や金属などがどろどろに溶けた状態でした。その後、月はゆっくりと冷えていきました。しかし、表側だけは地球からの熱に照らされて熱いままでした。一方で、月の裏側はどんどん冷えていきました。物質はより冷たい方へ集まる性質があるため、月の裏側にはたくさんの物質が集まっていきました。そのうち岩石や金属は冷えて固まり、表側よりも分厚い地殻ができあがったというわけです。