@ 口の中は約700種以上の細菌が存在しています。歯周病になると歯茎に炎症が起こり、心臓病や脳血管障害など、重大な病気の原因となるという研究結果が報告されています。歯周病とは歯磨きが不十分で、歯ぐきや歯の周りに細菌が感染し炎症が起こり、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。その結果、歯を抜くことになります。歯磨きの時に歯ブラシに血が付く、歯肉が腫れている、歯がぐらぐらする場合には、歯周病の可能性があります。
A 横浜市立大学研究チームは、「歯周病のある人はそうでない人と比べ1.5倍、大腸がんになりやすい。」と報告しました。また、大腸がん患者の唾液および大腸がんを調べたところ、4割以上の患者で歯周病菌が見つかったとのことです。これらの細菌は唾を飲み込んだり、血流に乗って大腸へと運ばれて行くのではないかと考えられています。大腸内で細菌(歯周病菌)が出す毒素が引き金となり大腸内で炎症が起こり、DNA(遺伝子)が傷ついたり、異常な細胞増殖が起こったりすることが、大腸がんの引き金になると考えられています。
B そこで、日頃から歯周病予防をしっかりとすることが大事です。また、大腸内で歯周病菌を増やさないようにするために、食物繊維が多い食事を摂ること、ビタミンCやビタミンDや、魚に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)を積極的に摂ることも重要です。