@ 今年3月30日、全国でコメ農家・野菜農家・酪農家などが参加する大規模なデモが開催されました。異常気象や肥料・燃料価格の値上げに苦しむ農家が、その苦境を訴えるためのもので「令和の百姓一揆」と名付けられました。農林水産省の計算では、農業従事者の年収は1万円で、年間労働時間の1000時間で割ると、実に「時給(一時間当たりの収入)が10円」という驚きの数字がはじき出されています。こういう現状にあって、農業への若者の参入も進まないどころか、高齢化が進み農業を辞める人が増え続けています。このままでは、日本の農業は崩壊します。
A 「令和の百姓一揆」は離農(農業を辞める)を防ぎ、若者の参入を増やす手段として所得補償(農業従事者に税金からお金を出す)を掲げています。しかし、そもそも農地をある程度大規模化して効率化(「ムリ・ムダ・ムラ」を無くす)しないと、農業で儲けが出てきません。もし農業従事者に所得補償したら零細農家(耕作面積が小さく農業収入が少ない農家)は残り続け、農地の大規模化は実現しません。
B 所得補償が認められれば、苦しい小規模農業従事者が救われるかもしれません。しかし、将来的に儲かる農業にするためには、「農家を大規模化し効率を高める」しか道はありません。この相反する考え方の中で、「令和の百姓一揆」は政治にどのような影響を与えるのでしょうか?