@ ウクライナという独立国家の主権を踏みにじる軍事侵攻が、ロシから眺めると「祖国ロシア防衛のためのやむをえない戦い」となり、世論調査では実に78%が「プーチンを支持する」(2025.2調査)と回答しています。なぜ、多くのロシア人が「プーチンの戦争」を支持しているのだろうか?
A ロシアでは軍事侵攻について、「この戦争はロシアが始めたものではない」「欧米からロシアを守るための戦いだ」とする考え方が広がっている。これは、プーチン大統領がウクライナ侵攻を正当化するために繰り返してきたフレーズ(ことば)だ。ロシアによる軍事侵攻は、2022年2月24日にロシア軍の戦車が国境を越え、大量のミサイルをウクライナ各地に撃ち込んだことから始まった。しかし、「軍事作戦」を支持するロシア人の多くは、そうは考えていない。彼らの世界観では、この戦いはもっと前に始まっているのだ。
B 「西側諸国がソビエトに対抗するために設立した軍事同盟『NATO=北大西洋条約機構』をソビエト崩壊後も拡大させ、ロシアに脅威を与え続けてきた。」というのがロシア人の考え方だ。「(欧米をはじめとする)50以上の国がロシアに敵対している。こうした国々がロシアの資源や土地を奪い、征服しようとしている。」「祖国を防衛する、やむなき戦いだ。」と考えている。日本の報道と比べて、まるで「合わせ鏡」(=2枚の鏡を向かい合わせに配置して鏡に鏡を映す)のような世界観だ。